
日本では、スパイスを使った料理というと「辛くて刺激的な」風味をイメージする方がまだまだ多いようです。しかし、それは、スパイスを香辛料と訳した時点から続く誤解なのです。


スパイスの中には、甘味や苦味のあるものや清涼感のあるもの、複雑な香りのものや着色のためのものなどがあり、決して「辛い」「刺激的な」ものだけではありません。スパイスといっても世界を巡れば多種多様、いろいろな味わいの世界があるのです。


スパイスとは何か、あえて定義付けをするならば、植物の種子や果実、葉や茎、花、つぼみ、根などで、独特の香りを持ち、料理に加えることで、香りや色を付けたり食材の持つ臭みを消したりして、風味やうまみを加えたり美観を作り出したりするものです。しかも、スパイスの多くが食欲を増進させたり、消化吸収をよくするなどの効用を持つことも見逃しません。まさにスパイスとは「食卓を風味豊かに彩り、古くから暮らしの知恵として活用されてきたもの」なのです。


胡椒などがヨーロッパに運ばれるようになると、それまでハーブしか知らなかったヨーロッパの人々にとってその刺激的な辛味と香りは新鮮に映り、それらは珍重され、肉の保存などに不可欠なものとなっていきます。そして、シナモン、クローブ、ナツメグなどを含め、自国で栽培できないもの、遠い異国から長時間かけて運ばれてきたものを「スパイス」と呼びました。ヨーロッパにおける「ハーブ」と「スパイス」の解釈は、こうした背景から生まれたのです。

伯爵がスパイスにまつわる興味深いエピソードを四つ教えてくれるそうです。噴出しをクリックしてみてください!
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