これによって、外国から日本にいろいろなものがやってくるようになりました。

福沢諭吉の著書「華英通語」でその言葉が紹介されました。それは中英辞書を翻訳したもので、「curry」は「加兀」と訳されています。

三宅秀を含めた３，４人の遣欧使節がフランスに向かっていた途中、フランスの砲艦から郵船に乗りかえたときにインド人たちと乗り合わせました。そしてこのインド人たちが食事をしていたのがカレーです。武士である三宅にとって、それは想像を絶する食事風景だったのでしょう。彼は食べようとも思わなかったそうです。

その少年の名前は山川健次郎。彼は、国費留学生としてアメリカへ渡りました。郵船会社が新たに太平洋航路に就航させたパシフィック・メイル号に乗って１月１日に日本を出発、その船中でカレーを食べたのです。

『西洋料理指南』と『西洋料理通』の二冊が同年に刊行されました。つまり日本ではカレーは西洋料理として紹介されたのです。『西洋料理指南』には、カレーの具にかきやたいなどをつかうとかかれています。もちろん、インド式に手でつかんで食べるのでなく、皿にごはんをいれ、カレーをかけて、スプーンで食べました。日本人によってこのころのカレーはまさに高級西洋料理だったのです。

大阪の『今村弥』(現在のハチ食品)から発売されました。名前は『蜂カレー』だったと言います。

このころになると、一般の人々もカレーを食べられるようになりました。

カレーは学校の給食にも取り入れられるようになりました。そして今では子供たちに大人気の給食となっています。さらに、いろいろな食品会社から即席カレーや固形のルウタイプのカレーがつぎつぎと発売されました。