台風とは(上級) ‐構造



 台風の構造
台風は、回転している巨大な渦巻きです。北半球では地上から高さ約10kmまでは反時計回り、その上の約10〜16kmでは時計回りの渦巻です。下層では、空気は反時計回りに台風の中心に吹き込みながら上昇し、上昇した空気は高空では時計回りに吹き出します。台風は強い低気圧なので、風の吹き方も低気圧と同じで、南半球では反対になります。



 台風の目
天気図で台風をみると、等圧線の形はほぼ同じ円で、中心に近いほど等圧線が混んで強い風が吹き、中心では等圧線ががらんとして風が弱くなっています。風の弱い所が台風の目で、ほぼ円形の目の直径は20〜200km程度です。目の中は下降気流で気温が高く、しばしば雲が切れ青空や星が見えます。この部分を「台風の目」といいます。


 アイウォール
目の周りには背の高い積乱雲の壁(アイウォール:目の壁)があり空気が上昇しています。目から離れた台風の域内には、幅数km〜10kmの積乱雲の塔(ホットタワー)が数多く見られます。ホットタワーは、人間の血管のようなもので、ホットタワーを通じて台風の養分である熱や水蒸気が上空に運ばれます。暖かい海面から上昇した水蒸気が上空で凝結すると多量の熱が出ますが、これらの熱が台風を発達させるエネルギーになるのです。 台風を取り巻く雲の直径は、台風の規模によって異なりますが、およそ800〜1000kmぐらいです。ところが雲の高さは、10〜15kmぐらいですから、高さと水平距離の比はおよそ80分の1程度です。つまり、台風はレコード盤のような薄っぺらなものが回転しているのです。

                    

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