生活の中で使用されている水は、飲み水やトイレの水のように目に見えるものだけではありません。
どのような場面で水が使われているのでしょうか?
毎日、食べている食料を生産するのにも多くの水を必要としています。日本は世界中から食料を輸入していますが、食料を輸入するということは、本来その食料を生産するために必要であった水を使わずに済むということです。
つまり食料を輸入することで、その食料を生産するのに必要とした水も間接的に輸入していることになるのです。これがバーチャルウォーターの考え方です。
バーチャルウォーターは工業製品などの輸入においても発生しますが、農作物の輸入によるものが大きな割合を占めています。
右の図は、1kgの食料を生産するために必要とする水の量です。
肉類は水を多く必要とします。例えば、牛肉の場合、1kgを生産するために必要な水量は15,500リットルであり、鶏肉も3,918リットルの水を必要とします。
肉類の中でも牛肉がとても多くの水を必要とするのは、牛の餌となる穀物(トウモロコシなど)を生産するためにも、多くの水を必要としているためです。
『水の世界地図 第2版』著/沖大幹 丸善出版より作成