交通難民の現状
住民の「交通難民」状態は、現状では地方の中小都市等で特に顕著に見られると言えます。
これらの中小都市は人口の少なさ、つまり利用客の少なさの為、公共交通機関を運行する上で不採算な状態になりやすく、ゆえに赤字や採算性の低さを理由とした運行本数の大幅低下、あるいは鉄道・バス路線の廃止が発生することが多くあります。その為、多くの地方都市は公共交通機関の利便性の低さに悩んでいます。
例えば、こちらは宮崎県延岡市のとあるバス停の時刻表です。
ご覧の通り、平日は上下合わせても1日5本しかバスが来ず、休日に至っては1本も運行がありません。この様な状態では、利用客はバスの公共交通機関としての利用など到底出来ません。結果として自動車免許や年齢の問題で運転が出来ず、通院や買い物にバスを使わざるを得ないような乗客を除いてはマイカー移動へと移行しています。乗客のマイカーへの移行で利用者が減るため、バス会社はさらなる減便や路線整理を行い、それによって更に利用客が減る...という悪循環に陥っている地域もあります。
本来は自分での運転に向いていない高齢者や障がい者が公共交通機関の機能不全によってマイカー移動に切り替えることで、事故率の上昇などの問題が生じることも考えられます。
このような状態の自治体においては、状況を打破すべく地方自治体主導のコミュニティバスが運行されることがあります。コミュニティバスはデマンド(呼出し)方式の採用や需要に合わせた増発・減便、バス車体のダウンサイジング、更には割引制度など、通常のバスに比べてよりきめ細かな配慮が行われ、成功しているケースもあります。
しかし多くのコミュニティバスはそのような努力を怠り、従来と利便性がほとんどあるいは全くもって改善されずに燃料と税金を浪費する状態に陥っているコミュニティバスもしばしば見受けられます。
当サイトでは、そのような「良い改善例」「悪い例」を概要と実地調査を通し現状を挙げ、「交通難民」の解決法を考えます。
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