育児介護休業法

育児介護休業法とは

育児介護休業法、正式には「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」とは、育児及び家族の介護を会社での労働と両立させなければならない労働者に対し、その両立を助けるための法律です。主に、柔軟な働き方や育児介護休業の取得を支援する具体的な方策が書かれています。労働者の申し出に対し、使用者が応じなければならない事の規定などもなされています。

育児介護休業法で取り決められていること

この法律では育児について産前産後の時期の休業取得、育児休業の取得、子のための看護休暇、転勤への配慮などをするよう定める制度、介護について介護休業・休暇の取得ができるように定める制度が設けられています。

逆に使用者に対しては所定時間外労働、深夜労働の制限や、短時間勤務制度の設定等が求められています。旧来においては「女性は産休育休を取得、男性は取得しない」という風潮が強かったのが、近年においては男性の休業取得も増加傾向にあり、当然、男性の育休介護休業取得の支援も促進されています

この法律において、労働者は上記の休業及び短期勤務制度使用の申請をする権利が認められています。使用者は法律の範囲内におけるこれらの要請を断ったり、罰則を設けるなどのことができないと定められています。

育児介護休業法制定の背景

近年の少子高齢化に伴って、労働者のための安定した育児休業、介護休業の制度が必要とされるようになりました。また国は労働者の安定した育児、介護が国家を支える根幹としての役割が重くなりました。さらに企業には休業によって生じる欠員を予想・補償するためにも明確な制度が必要となりました。これらの利害が作用しあい、法律制定へと至りました。

2017年1月の法改正

前回の法改正では介護休業の改正を中心とした休業取得の幅が広がる施策がなされました。

①介護休業の分割取得が可能に

年間93日までを原則年一回まで申請できたものが年三回までの分割申請が可能となるようになりました。これにより柔軟な休業取得申請が可能になります。

②子の看護休業申請可能に

子の病気などに対する看護が必要な時に、これを理由に休業を申請することがより柔軟に変更されました。年間五日まで一日単位で取得できたものが半日単位での取得も可能になりました。

③育児休業の取得条件緩和

有期契約社員について、「過去1年以上の勤務、子供が1歳になった後も雇用されること、休業開始から9か月以内に雇用契約が切れない」という条件が育児休業取得に必要でした。法改正後は9か月以内の条件が外れ、「過去1年以上の勤務、子供が1歳6か月になるまで雇用契約が切れないこと」が条件となりました。

まとめ

育児介護休業法とは育児や家族の介護と労働の両立を助けることを目的とした法律である。
女性だけでなく男性の育児休業や介護休業の取得が推進されている。
2017年1月の法改正によって休業取得の幅が広がった。