ハラスメント
ハラスメントとは、「他者に対する発言・行動等が本人の意図には関係なく、相手を不快にさせたり、尊厳を傷つけたり、不利益を与えたり、脅威を与えること」を指します。その他者に対する発言・行動等の種類で細かい分類が決定します。
この記事では、職場で発生することの多いとされるパワーハラスメント、モラルハラスメント、セクシャルハラスメント、マタニティハラスメント、アルコールハラスメントの五つについて紹介します。
パワーハラスメント(パワハラ)
職場での地位や権力を利用した、仕事の範囲を超えた嫌がらせなどを指します。一般的にパワハラと言われ、近年ニュースでも特に多く取り上げられています。具体的には、
- 職場での立場を利用し、部下に故意に低い評価をつける
- 「左遷させるぞ」など、継続的に暴力的な言葉をぶつける
- 明らかに達成することが不可能な仕事を押し付ける
- 明らかに程度の低い仕事を命じる
などの行為が挙げられます。 2012年度に厚生労働省が4,580社の企業を対象に行った調査では、45.2%の企業がパワハラに関する相談を受けたと回答するなど、多くの企業で問題になっています。
モラルハラスメント(モラハラ)
言葉や態度で精神的な暴力を与えることを指します。上述したパワハラと似ていますが、大きな違いとして職場内での地位などを利用しているかという点があります。そのため、上司が部下からモラハラを受けるというケースも存在します。また、地位などを利用していないため必然的に陰湿なものになる傾向があります。具体的には、
- 2人きりになると、話しかけられても無視をする
- 会話中に大げさなため息をつく
- 陰口を言う
などの行為が当てはまります。
セクシャルハラスメント(セクハラ)
性的な嫌がらせや、性的な脅しなどの行為を指します。主に女性が受けることの多いハラスメントとして認識されていますが、男性が受ける場合も少なからず存在します。具体的には、
- 卑猥な言葉を浴びせる
- 未婚であることなどを執拗に会話に引き出す
- 身体の一部にさわらせる
などの行為があります。また、同性間でも受け取る側の認識によってセクハラという扱いになる場合もあります。
マタニティハラスメント
妊娠や出産に対して行われる精神的、身体的ないやがらせなどを指します。男性が受ける場合もあります。具体的には、
- 妊娠や出産を理由として、自主退職を促したり解雇する
- 産休明けに慣らし期間などを設けず業務を命じる
- 妊娠・出産について、心無い言葉をぶつける
などがあります。特に妊娠している女性へのストレスは流産などを引き起こす可能性があり、非常に非人道的な行為です。
アルコールハラスメント(アルハラ)
飲み会の場などで行われるハラスメントを指します。アルコール薬物問題全国市民協会(現ASK)の定義によると、
- 飲酒の強要
- 一気飲みの強要
- 意図的な酔いつぶし
- 飲めない人への配慮の欠けた行為
- 泥酔状態での迷惑行為
となっています。特に一気飲みなどは急性アルコール中毒を発症する危険性もあり、悪質な行為です。
職場で発生するハラスメントはこれ以外にも存在しています。また、ここで挙げた5つは会社以外でも大いに発生する可能性のあるものです。ハラスメントの被害にあっていると思ったら、周りの人や社内の相談窓口、弁護士に相談すべきでしょう。
ハラスメントとは、他者に対する発言・行動等が本人の意図には関係なく、相手を不快にさせたり、尊厳を傷つけたり、不利益を与えたり、脅威を与えることを意味する。
ハラスメントに遭ったら、早急に周りの人や社内の相談窓口、弁護士に相談すべきである。