年次休暇
日本の企業における年次休暇
近年、年次休暇(以下年休)(いわゆる「有給」)の取得率の低さが社会問題になっています。2019年就労条件総合調査によると、平均付与年休が18.0日、平均取得日数が9.4日で、取得率は52.4%となっています。1992・1993年は56.1%でしたが、その後低下傾向にあります。
2016年に実施された「仕事と生活の調和の実現及び特別な休暇制度の普及促進に関する意識調査」によると、年休の取得にためらいを感じると回答した人は21.9%、ややためらいを感じると回答した人は41.9%と、回答者の約3分の2がためらうと回答していることがわかります。その理由としては、みんなに迷惑がかかる、後で多忙になる、職場の雰囲気で取得しづらいことが挙げられます。
一方ヨーロッパ諸国では平均して20~30日ほどの年休が付与されており、事業者(雇い主)の責任で年休はほとんど完全取得されています。
制度の違いもありますが、日本は諸外国と比較して、付与される年休が多くない上に取得率がとても低いという問題があると言えます。ILO(国際労働機関)の条約(日本は批准していない)では、年休は最低3週間、そのうち2週間は連続で取得することが推奨されています。
まとめ
日本の企業における年休取得率はほかの国と比較して圧倒的に低い。
海外には労働者に年休を完全取得させることが事業者の責任となっている国もある。