人間はなぜ太陽があると眠ることが出来ないのか

夜行性の動物も多くいますが、人間は昼行性で、多くの人は夜になると眠り、朝になると起きます。仕事などの関係で昼眠る人も仕事がない状態が続けば夜眠るようになります。

ではなぜ、人間は夜眠るのでしょうか。

睡眠には「サーカディアンリズム(概日リズム)」と呼ばれる、24時間で繰り返す生体リズムがあります。これは、動物が進化の過程で体内に作り出したものです。進化は自転している地球の上で起き、自転によって24時間周期の明暗リズムが作られました。地球上で進化したことによって体内に「サーカディアンロック(概日時計)」が出来上がったのです。


この「サーカディアンロック」(以下、体内時計)によって体の様々なリズムは24時間のリズムを作っています。


このグラフは深部体温、コルチゾールとメラトニンの分泌量、レム睡眠の24時間の変化を表したものです。これらは全て24時間眠らなかったとしても、このリズムが崩れることはありません。つまり 夜間眠らなかったとしても、昼間と夜間のコンディションには違いがあるのです。

この様なリズムの本態はにあります。視交叉上核という部位が人の体内時計の本体で、網膜からも神経が繋がっており、外部の明るさの情報も伝わります。視交叉上核の時計は正確に24時間を刻んでいる訳ではなく、少し長い周期を持っていると言われています。なので、自然な太陽光のない場所で過ごすとヒトは24時間より長い周期で睡眠覚醒の周期を刻む様になります。これは「フリーラン」と呼ばれていて、様々な要因によって24時間に修正されていますが、その中で最も大きいのがによる作用です。 これは進化の過程で太陽の光による24時間周期により体内時計が出来たことを考えると当然のことと言えます。

つまり人間が夜眠るのは人間の体内の睡眠覚醒の周期によるもので、この周期を調整するうえで大きな役割を担っているのが光であり、太陽があると眠ることが出来ないのは日が出ている間は睡眠覚醒の周期(体内時計)のなかで起きる時間(覚醒期)に当たると脳が判断しているから、という事になります。

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