Japanese
問題は市場にある

私たちが空き家問題と向き合う中で感じたのは
空き家問題を解決するにはもっと根源から、 つまり空き家の発生から絶たねばならないという事です。
空き家が生まれる原因は様々ですが、 基本的に持ち主が空き家を売却できれば問題は生まれません。

「固定資産税」での問題も、売れないから使わない空き家を建てっぱなしにしているのです。
「相続」においても、売却できれば誰かが住んで空き家ではなくなるでしょうし、そうでなくとも有効活用されるはずです。
「負動産」も、その家の市場価値が上がり売れるようになれば負動産ではなくなります。
「廃墟」も、適切な管理が出来ず廃墟になる前にその家を売却する事ができれば廃墟は生まれません。



モノの値段は、需要によって変わります。
中古住宅に住みたいという人が増えれば、中古住宅の値段が上がり、市場価値が上がります。
新築住宅に住みたいという人が減れば、新築住宅の値段は下がり、市場価値が下がります。
つまり、中古住宅の価値を上げるには、もっと中古住宅に住みたいという人が増えればいいのです。

日本の空き家問題

日本の空き家問題はまだ解決可能な段階です。
なぜなら、846万戸の空き家を抱えているのに、 未だに一年間で95万戸の新築住宅を作っているからです。
(国土交通省 総合政策局「建築着工統計調査報告(平成30年度計)」による。)


これは幸いなことです。

例えばこれが、空き家が864万戸と増加しているのに対し、 一年間で新築住宅の建設が0戸であるような状況であれば、 生まれる需要を全て中古住宅に回していてもなお空き家が増え続けていることになり、空き家率を下げるには空き家を解体するしかありません。もしそうなってしまえば、解決は困難を極めます。

しかし、今の日本は違いますね、95万戸の新築住宅需要があるのです。
住める空き家があるのに新しく住宅を作っているのです。
これを中古住宅需要に振り分ける事ができれば、

つまり、たくさんいる"新築に住もうとしている人たち"が"中古住宅に住もうとしている人たち"になれば、空き家率の増加に歯止めをかける事ができます。
そのためには、新築志向の解消が必要なのです。