無農薬野菜を買う

無農薬野菜を買う


 虫を殺すための化学農薬を使わないで農業をすることにより、ミツバチへの農薬の影響を無くすことができます。私たちが無農薬野菜を買うことでそれを応援できるのです。
 化学農薬を使わないで害虫を駆除する方法も多く考案されています。例えば、精米するときに出る米ぬかや、酢酸を撒くと虫がつきにくくなるようです。
 また、アイガモを水田に放っておくと、稲についた害虫や雑草を食べてくれます。おまけに、アイガモが田をかき回すことで、水がにごります。すると、水中の雑草に日光が届かなくなり雑草も生えにくくなるのです。稲を収穫する時期にアイガモも食肉として出荷できるので、一石二鳥です。鳥だけに。

 化学農薬の中には、害虫駆除や植物が育つためにどうしても必要なものと、ただ見た目を良くするためだけに使われているものがあります。水田では、カメムシ防除の農薬が最も多く使われています。
 その理由の多くは、カメムシの被害である、米に斑点がついてしまうということです。米に斑点がつくと米の等級が下がり、買い取り価格が低くなってしまうのです。しかし、斑点米は炊き上がると斑点のない米と見た目はあまり変わりません。

 いびつな形の野菜は売りに出しても買われないので、形を整えるためだけに化学農薬が使われています。私たちが、多少見栄えが悪くても美味しければ良いという意識を持ち、形の悪い野菜でも遜色なく買うことで、このような農薬使用を減らすことになるのです。
 しかも、撒く農薬の量を減らせばその分のコストが削減でき、農作物は安くなります。農家とミツバチと家計、全てに良い影響が出るのです。


参考文献
Rowan Jacobsen 『蜂はなぜ大量死したのか(原題 Fruitless Fall)』 文芸春秋、2009年
越中矢住子『ミツバチは本当に消えたか』 SoftBank Creative、2010年
堀江武『図解でよくわかる 農業の基本』 誠文堂新光社、2015年
一般社団法人 日本養蜂協会 ホームページhttp://www.beekeeping.or.jp/