Q
このような活動を始めたきっかけはなんですか?
A
定住する外国人の数の増加に伴い、外国にルーツを持つ子どもの日本語学習のニーズも高まっていますが、子どもの場合、母語、言語能力、文化背景などに違いがあるだけでなく、年齢が違えば発達段階や基礎学力も異なることから、大人と一緒にクラス形式で日本語の授業を受けることは難しいため、子どもに特化した日本語教室を平成23年に開設するに至りました。
Q
子どもを対象に含む日本語支援にはどんなものがありますか?
A
本協会で行っている事業は主にこの3つです。
- アイパルこどもにほんご教室
- 小・中学校における日本語学習支援
- 通訳等ボランティア派遣事業
春休み、夏休み
2時間/日×4日間 ※2020年度夏季の例
それぞれの子どもにあわせ、マンツーマンでの日本語や教科学習の指導を行うほか、参加者全員での交流を深められる活動を併せて実施しています。
長期休暇中に実施することで、これから就学する子どもは編転入に備えた学習ができ、既に就学している子どもは休暇中も継続して日本語を学習することができます。
県や市町の教育委員会からの依頼により、日本語指導及び教科学習の補助を行うボランティアを派遣し、対象児童・生徒が生活上及び学習上必要な日本語を習得するための支援を行っています。(当協会の予算の範囲内で実施)
また、関係者を集めた情報交換会も開催しています。
教育現場からの依頼はもちろん、保護者等個人からの依頼にも対応し、通訳や日本語・教科を指導するボランティアの派遣を行っています。(派遣要請者が経費負担)
これらによって、外国にルーツをもつ子どもたちに、日常生活や教科学習に必要な日本語力と教科学習能力を身につける機会や、地域社会における居場所を提供し、長く日本で生活(進学・就職など)をしていくことができる基礎的な能力の習得や、環境づくりを目指しています。
Q
学校や自治体からはどのような支援要請が来ますか?
A
前述のように、日本語指導や通訳などの支援の要請があります。
教育現場での日本語指導や生活適応指導については、一義的には教育委員会が対応すべきことですが、予算上の制約等もあるため、当協会の事業として支援を行っています。
Q
子どもの教育に関して保護者などから相談を受けることはありますか?
その場合、どのような相談を受けることが多いですか?
その場合、どのような相談を受けることが多いですか?
A
こどもにほんご教室実施期間中に、保護者を対象とした相談会を各季1回ずつ実施し、保護者が抱える悩み等について話し合う場を設けています。
主な相談内容は以下の通りです。
- 日本語習得に関する問題
- 来日直後のため集中的に日本語を勉強する必要があるが、そのような機関がない。
- 来日すぐの日本語指導が不足していたことに気付いた。今からでも受けられる支援はないか。
- 家庭で日本語を使わせるにはどうすればよいか。
- 経済的な問題
- 本人は私立の全日制高校に入ることを希望しているが、公立の定時制しか行かせられない。
- 日本の教育制度に関する質問
- 小学校入学に何の準備が必要か。
- 中学受験についての情報が欲しい。
- 学習面での問題
- 日常会話はできるが教科が理解できるほどの日本語力がない。
- 集中力がない。
Q
もし同じクラスに外国にルーツを持つ子どもがいたとしたら、
私たちは何をすればいいと思いますか?
私たちは何をすればいいと思いますか?
A
国によって文化や習慣などが異なるため、それぞれの違いを理解し、受け入れることが重要だと考えています。
たとえ相手の日本語力が十分でなくとも、簡単な語彙や表現を用いた「やさしい日本語(Easy Japanese)」を使うと、分かることもたくさんあります。
また、相手を気にかけていること、相手のことを知りたいと思っていることを、ことばや態度で伝えることは、相手が外国人であるか否かに関わらず、必要なことだと思います。
異国で不安や孤独を感じることが多い外国にルーツを持つ子どもに対しては、特に心がけてあげられればと思います。
Q
教育委員会や学校と連携するうえで苦労した点を教えてください。
A
来日したばかりなどで日本語を学習したことのない子どもには、母語で必要な情報を伝える段階、日本語の初期指導の段階、やさしい日本語を用いながら教科学習を支援する段階の3つがあり、それぞれ段階に適した支援が必要です。
しかし、関係者(親、学校、教育委員会、指導ボランティア、子ども自身)間の認識にずれがあり、こちらが最適と思う支援が必ずしも子どもに提供できない場合もあります。
関係者間でコミュニケーションをとり、情報・目標を共有し、協働することが大切ですが、そうした環境づくりには時間がかかり、簡単にはいきません。
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