海外の昆虫食文化

現在、昆虫は世界中で約20億人に食べられています。※1
中心となっているのは、アジア・アフリカ・中南米などの地域です。順に紹介していきます。

アジア
アジアの中で一番昆虫食の盛んな国としてタイが有名です。
というのも、タイでは昔から盛んに昆虫が食べられていて、今では食用昆虫の養殖が広がっているからです。
スーパーマーケットには、タガメやカイコのサナギ、コオロギ、バッタ、蛾の幼虫などが売られています。
虫によって食べる方法も異なっていきます。蛾の幼虫などはスナックとして売られており、おつまみとしてもよく食べられています。
バッタ、コオロギは素揚げで食べられます。他にもアリの卵はスープの具材として使われています。

アフリカ
アフリカでは食料不足を防ぐために昆虫がよく食べられています。アフリカでよく食べられている昆虫は蛾の幼虫やアブ、シロアリなどです。
調理方法としては、トウモロコシとガの幼虫を混ぜ込んで揚げたポレンタ(乾燥させて挽き割りにしたとうもろこしを煮込み、とろみを出したもの)や アメリカミアブ(アブの一種)のコロッケ、アイスなどがあります。

コロッケとポレンタの画像※メンバーが描画

中南米
中南米では昆虫食の文化があるのは先住民です。約230種の昆虫を食用にしていたと言われています。
主に食べられているのは、蛾の幼虫、芋虫、バッタ、ハエの卵、アリの卵、カメムシなどです。
中南米の昆虫食のバリエーションは他の地域より富んでいるのが特徴です。

例えば、芋虫を油で揚げて唐辛子やソースをかけて味をつけ、パンに巻いたり、ハエの卵を鶏卵と混ぜてハンバーグ状にしたものを焼いたり、 カメムシをさっと炒って、タコスの具材としたりなど様々です。


タコスの画像※メンバーが描画

ヨーロッパや北米はアフリカ、アジア、中南米ほど食虫文化がありませんが、ここ最近昆虫食会社などが立ち上げられ、コオロギなどを使った昆虫スナックなどが売られ始めています。
全世界で、食虫文化が広まる土壌は整いつつあります。

※1.出典:FAO 「 Edible insectsFuture prospects for food and feed security」P.xiii The role of insectsより

参考:
デイビッド・ウォルトナー=テーブズ 著 片岡 夏実 訳「昆虫食と文明―昆虫の新たな役割を考える」
内山昭一 著「昆虫は美味い!」
BUGSGROOVE 「食用昆虫は500種類以上!メキシコの多様な昆虫食文化
朝日新聞GLOBE+ 「いま注目される「昆虫食」
All About 「メキシコ先住民食文化、究極の虫料理
地球の歩き方 特派員ブログ「【閲覧注意】アフリカで昆虫を食べてみた
朝日新聞デジタル 「昆虫食、アフリカで進む技術革新 味も結構いけるんです
おしるこトラベル「 なぜタイの屋台で虫を売ってるの?虫の種類は?
渡辺弘之 シリーズ:熱帯非木材林産物生産を調べる (5) 「 タイ・ラオスの食用昆虫
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