このページでは私たちの身の回りで実際に論理回路が活用されている例を2つ紹介します。

1階、2階の両方から点灯、消灯できるスイッチ

1階、2階の両方から点灯、消灯できるスイッチ図

上の図のように階段を上った付近に電灯があり、
この電灯を1階と2階の各スイッチから自由に点灯、消灯する仕組みを考えます。

これは論理回路の基礎で紹介したXOR回路を使うことで実現できます。
XOR回路の入力をスイッチ、出力を電灯に置き換えると真理値表は下のようになります。

XORスイッチ真理値表

スイッチ1を切り替える場合

最初は、スイッチ2をOFFに固定して、スイッチ1のON/OFFを切り替えることを考えます。
真理値表から、スイッチ2がOFFのままでも
スイッチ1のON/OFFを切り替えることで電灯を自由にON/OFFできることがわかります。
これはスイッチ2をONに固定しても同じです。

スイッチ2を切り替える場合

次に、スイッチ1をOFFに固定して、スイッチ2のON/OFFを切り替えることを考えます。
これも同じように真理値表から、スイッチ1がOFFのままでも、
スイッチ2のON/OFFを切り替えることで電灯を自由にON/OFFできることがわかります。
これは当然、スイッチ1をONで固定した場合でも同じことが言えます。

まとめ

以上のことから、他方のスイッチの状態に関係なく、
電灯のON/OFFを片方のスイッチで自由に操作ができることがわかります。
したがって、電灯を1、2階両方のスイッチから自由にON/OFFを切り替えることができます。

バスの降車ボタン

バス内では、いずれかの降車ボタンを押すことで車内すべてのLEDが光る仕組みになっています。
これも論理回路によって実現できます。

バスの降車ボタンはこのように、RSフリップフロップ回路を複数個並べて、
最後Qからの出力をOR回路でまとめた出力をLEDに伝えるという構造になっています。

バスボタン回路図

SとRをそれぞれ降車ボタンと消灯ボタンにつなげています。
いずれかの降車ボタンが押されると、Qから出力されたON信号がOR回路でまとめられ、
LEDが点灯します。また、フリップフロップ回路を介しているため、ボタンを放しても
LEDは消えません。一方で、消灯ボタンが押されると、すべてのRに信号が行くため
フリップフロップ回路の出力(Q)がOFFになり、ランプが消灯します。

まとめ

上で紹介したように、家の階段やバスの中など、生活の中の様々な場所でも論理回路が使われています。
知られていないだけで、論理回路は意外と身近な存在なのです。