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漁獲量

私たちは、どれくらいのマグロを獲ってきたのでしょうか? また、これから先もマグロを取り続けることは可能なのでしょうか?
ここでは、さまざまなマグロの漁獲量の統計から、『資源』としてのマグロの量について考えてみます。



世界と日本の漁業・養殖生産量

世界の食用魚介類の消費総量は、世界人口の増加もあって、過去50年で約5倍に増加しています。世界の漁業生産量の統計によると、天然水産資源の漁獲量の総量(海面漁業+内水面漁業)は、1990年代以降約9,000万トンで横這いであることがわかります(図1)。また、世界の水産資源の利用状況の統計では、ほぼ未利用の水産資源がない状況であり、これ以上漁獲量を増やすことが困難なことが分かります(図2)。
一方、養殖生産量(海面養殖業+内水面養殖業)は、1990年には約1,700万トンでしたが2020年には約12,200万トンと30年で7倍以上に急速に伸びていることがわかります(図1)。つまり、枯渇しつつある天然水産資源の漁獲量を、養殖による水産資源生産で補い、伸び続ける水産物需要を満たしていることがわかります。

図1. 世界の漁獲・養殖業生産量の推移(令和3年度 水産白書) 図2. 世界の資源状況(令和3年度 水産白書)


これに対して、日本の漁業・養殖生産量はいずれも減少しています。
日本の海面漁業生産量(養殖は含まない)は、1990年には約9600トンありましたが、2020年には約4200トンと半分以下に減少しています。また、日本の海面養殖生産量は、1990年には約1300トンありましたが、2020年には約1000トンとやや減少しています(図3)。


図3. 日本の漁業・養殖業生産統計 生産量(農林水産省 海面漁業生産統計調査)


世界と日本のマグロ漁獲量

世界のマグロ・カツオ・カジキ類の漁獲量は増加しています。1970年代には約200万トンだったのが、2020年には約800万トンとなっており、1970年代から比べて約4倍に増えています(図4)。

図4. 世界の漁業の魚種別漁獲量の推移 まぐろ・カツオ・カジキ類(令和3年度 水産白書)


日本のマグロ漁獲量は世界でも大きな割合を占めていましたが、図5によると、近年は減少しています。近年の漁獲量の規制が影響していると考えられます。
マグロの資源は、5つの地域漁業管理機関(RFMO)によって管理されています(詳しくは 取り組み → 国際機関を参照)。


図5. 日本の海面漁業まぐろ種別漁獲量(農林水産省 海面漁業生産統計調査)



世界のマグロの漁獲量は増えていますが、日本では減少しています。世界中でマグロを食べることが広まっていますが、日本では、魚より肉を食べることを好む「魚離れ」がすすんでいるのかもしれません。



参考資料

農林水産省>統計情報>分野別分類/水産業>海面漁業生産統計調査
  https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/kaimen_gyosei/

水産庁 令和3年度 水産白書
  https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/R3/220603.html





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