進化がとまらないインスタントラーメン
インスタントラーメンって何? インスタントラーメン。 日本人にとって、愛着のあるこの呼び名は、1958年(昭和33年)に生まれました。当初発売されたチキンラーメンは、インスタントラーメンまたは即席ラーメンとも呼ばれていました。その後、即席和風めんや即席欧風めんも登場しましたが、即席めんの中では中華めんの割合が非常に多いことや、長い間、なれ親しんできたことから、今でも即席めん全体をインスタントラーメンの愛称で呼んでいます。 袋麺だけか、カップ麺は別物なのか、人によってその定義は色々です。
大辞林によると、こう定義されています。調理に手間のかからないように製品化されたラーメン。インスタントラーメン。
JAS規格(日本農林規格)ではインスタントラーメンの定義は以下になっています。
(1)主原料を小麦粉、またはそば粉としていること、めんの弾力と粘りを高めるものを
加えて製めんしていること
(2)(1)にかやくを添付したもの
(3)(1)~(2)のうち調味料を添付したものか、あるいは調味料で味付けしたもの
(4)簡単な調理で食べられるもの
ただし、かんすいを用いず製めんしたものは、成分でんぷんがアルファー化されているものに限る。
つまり、簡単にできるラーメンであれば、袋麺であってもカップ麺でもインスタントラーメンと言えそうです。
インスタントラーメンの発祥は、朝の連続ドラマにも取り上げられた、安藤百福さん。インスタントラーメンの生みの親であり、現在の日清食品の創業者です。
彼は48歳でインスタントラーメンの元祖であるチキンラーメンを生み出し、巨大企業の基礎を作り上げました。1958年に発売開始されたチキンラーメンの値段は1食35円。店で食べるうどんやそばの当時の価格が約30円、中華そばが40円程度。具がない即席めんがそれと変わらない値段だったということです。しかし、「お湯をかけて2分間」とうたう味付即席めんは「魔法のラーメン」と呼ばれて大ヒット、高度成長期の手軽な食事として定着していくことになりました。
世界に広がるインスタントラーメン、そのパワー
インスタントラーメンの世界普及のきっかけも日清食品でした。カップヌードルは爆発的ヒットを記録。アメリカでは73年に「Cup O’Noodles」として発売され、人気を集め、以来、日清食品のアメリカでの事業は拡大を続け、今では年間5億食以上を販売、インスタントラーメン市場におけるシェアは5割に迫っています。世界でのインスタントラーメンに関する取り組みの例
• 「マルちゃん」はメキシコで独自の進化を遂げた
• 中国市場で稼ぐサンヨー食品
• ベトナムにインスタントラーメンを根付かせたエースコック
• 「チャルメラ」の明星食品は韓国に足場を築く
これらの他にも様々な取り組みがあり、上の例から特にSDGsの目標の「飢餓をゼロに」「作る責任使う責任」「気候変動に具体的な対策を」「陸の豊かさを守ろう」に関係しているのがわかります。
未来食としてのインスタントラーメン
宇宙で食べられるインスタントラーメン。2005(平成17)年7月、宇宙飛行士野口聡一氏が、スペースシャトル「ディスカバリー」に乗り込み、それを食べる姿が放送されました。これは、日清食品とJAXA(宇宙航空研究開発機構)が共同開発した宇宙食ラーメン「スペース・ラム」という商品で、軟質密閉容器に、一口サイズのめん3個とスープ、具材が封入されています。
宇宙船内で安全範囲として供給される70℃の低温のお湯でも、5分で戻り食べることができて、さらにスープが機内に飛び散らないようにとろみがついています。
宇宙食の理想条件
・長期保存が可能
・できるだけ軽量
・強い臭気や匂いがない
・飛び散らない
・栄養価に優れる
・温度変化や衝撃で変質しない
・特別な調理器具がいらない
インスタントラーメンは未来食としての要素を過不足なく備えているように思えます。
インスタントラーメンの進化は完全栄養食へ

国民の健康意識の高まりを先取りする形で始まったインスタントラーメンの健康を意識する新製品が登場し始めたのは1996年。食物繊維をプラス、塩分カット、カロリーダウン、コラーゲン、全粒粉麺などさまざまな商品が開発されました。
そして、最近では、「たった1食で1日に必要な栄養素33種類が摂取できる。」こういった、夢のような商品も登場しました。現代人にとって、栄養状態はなかなか管理しづらく、手間やコストも気になります。手軽に「完全」な「栄養」が摂れるという完全栄養食。 これも、インスタントラーメンが未来の食と大きく関わる一つだと思います。
また、SDGsの目標の「すべての人に健康と福祉を」とも多く関係しており、インスタントラーメンのメーカー各社が美味しさだけでなく健康面にもしっかりと目を向けていることもわかります。
そこで、インスタントラーメンの凄さを実際に知るために、 「完全メシ」とある日清食品の「完全メシ 豚辛ラ王」を試食しアンケートにまとめました。
アンケート内容はこちらです。
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