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世界では昆虫はもっと身近!?


アメリカのコロラド州マントルス洞窟でバッタの体の断片が見つかったように、ヒトが集めた食料が洞窟から見つかることもあります。
<有史時代の昆虫食>
有史時代になると、昆虫を食べていた証拠となる文書が残され始めました。

古代

  • ギリシア
  • 紀元前4世紀のアテネでは鶏肉屋で、4つの羽をもつ鳥としてバッタが売られていたと記されています。かなり安いため、貧しい人々が食べていたらしいです。
    哲学者のアリストテレスはセミの終齢幼虫が土から出てきたところを捕まえて食べていたともいわれています。
  • ローマ
  • 古代西アジアのパルティア人や東方の民族はセミやその時に大量発生したイナゴ(大群を成して長距離移動し通った場所にある可食物を食い荒らす、比較的大きいバッタ)を好んで食べていました。(プリニウス:1世紀の人 著書『博物誌』より) 更には、ローマの美食家たちはコススという幼虫を食していたといわれています。しかし、コススは未だ具体的に何か特定できていません。
  • 古代リビアの遊牧民の特徴的な昆虫の食べ方
    バッタを日干しにして粉にして、ミルクに混ぜて食べていました。

  • 昔から世界中で人々に親しまれてきたんだねー。最近まではどうだったのかなー?

    近世・近代

    中世では、昆虫食に関する文献があまりありませんでした。 フランスの博物学者レオミュールの著書『昆虫誌のための覚書』には昆虫の食用性について書いてあり、食べられるかどうかなどを具体的に記されてあります。 そこから、様々な形で昆虫食の形跡は残された。ドイツ生まれの女流版画家メーリアンは、多くの昆虫の版画を残しています。

    1822年『昆虫学概論』の「昆虫によってもたらされる利益」という章では昆虫食について取り上げられています。昆虫は栄養もあり、清潔なものが少なくないので、食べるべきだと述べられています。
    19世紀終盤に、イギリスのホルトは『なぜ虫を食べないの?』という本を出版しました。 この本では特に緑の葉しか食べないような食用性昆虫を取り上げていて、腐肉などを食べているエビやカニなどに比べてかなり衛生的といわれています。 昆虫に対する偏見さえ克服できれば、昆虫は有用な食材となるはずなのに、人々はどうして昆虫を食べようとしないのかと述べています。 また、この本は昆虫食推進の原点のように言われています。
    market←イメージ画(メンバーが作成):ホルト(英)著『なぜ虫を食べないの?』


    こんなこともわかっている・・・

    18世紀のアフリカやアラブのマーケットでは、ローストしたり焼いたりしたバッタが売られていたといわれています。塩を加えると長期保存ができ、エビのような味がします。
    アフリカの各国で起こるバッタの大発生の際、住民は自分たちの食料としたり、商品としてマーケットに売ったりしていたようです。
    market
    ↑アフリカのマーケットのイメージ。昆虫も多く並んでいる。コオロギやシロアリ、バッタなどが食用として売られている

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