医療のあり方(まとめ)
このページでは医療のあり方についてまとめていきたいと思います。私達と一緒によりよい医療の在り方について考えていきましょう!
医療の現状
日本の医療保険制度
日本は戦後、すべての国民に平等に医療を受ける機会を保証するという観点から医療環境を整えてきました。そして、日本で保険証1枚で平等に医療を受けることのできる、「国民皆保険」という制度ができ、維持されてきた。日本の医療保険制度は世界から高く評価されるほどで、平均寿命、健康寿命も年々伸ばしています。
日本では公的医療保険のお陰で安心安全な医療サービスを少ない費用負担で受けることができます。
医療機関の現状
医療機関
日本の医療機関の経営状況はあまりいいとは言えません。なんと、日本にある病院の約4割が赤字経営だと言われています。
また、病院数・病床数はともに減少、診療所数は増加している傾向があります。
⇒少子高齢化にともなって....?
医療従事者
現在、医療従事者は、業務量が多いことや医療事故への不安などの理由により、離職率が高く人手不足が深刻です。また、新型コロナウイルスの影響で更に深刻化が進んでいます。医師や薬剤師なども人手不足ですが特に看護師の人手不足が深刻で、厚生労働省などの国の機関も改善策を考えています。増え続ける患者に対して医療に従事できる医師や看護師の数が不足しており、需要と供給のバランスが取れていません。過重労働を強いられる医療従事者も多く、貴重な人材の休職や離職も大きな懸念となっています。
今は厚生労働省で、各医療機関における勤務環境を改善するための取組を支援しています。しかし、そのような制度を導入しても、医療従事者はたりていません。
みなさんがお世話になっている病院やクリニックなどでも医療従事者不足が起こっているかも.....。
また、医療従事者といえば新たに注目されてきている職種があります。それは理学療法士や作業療法士などのリハビリに関する職種です。高齢化が進む日本でより注目を浴びています。
しかし、これらの職種も需要は高いのに人手が追いついていません.......。
医薬品業界
生活習慣病やアルツハイマー症候群などの新薬を開発しようと多くの製薬会社が研究しています。これらのニーズに対応できる「アンメット・メディカル・ニーズ」と呼ばれる新薬の開発が注目されています。しかし、日本の医薬品業界も厳しくなってきています。
医療機器・医療用品業界
医療機器業界や医療用品業界の需要は比較的安定していて、高齢化や技術の発展によって今後さらに規模が安定することが予想されています。日本の医療の現状としては今まで紹介してきたものよりも比較的、良い状況です。*医療機器→内視鏡やMER、ペースメーカーなど
医療用品→注射器やガーゼなど
日本の医療体制の問題点
人手不足
医療機関の人手不足の原因としては看護師の需要過多問題、離職率の増加等が挙げられます。看護師の需要過多問題
この問題の根本は高齢者の増加にあると考えられています。看護師になる人が増えても、高齢者の割合が増え続けるかぎり、人手不足は解決しそうにありません。離職率の増加
医療従事者の職場環境は厳しいものが多いです。多すぎる時間外労働時間、夜勤勤務、ハードな仕事の割に賃金が少ない、学習環境があまり整備されていないなど。 離職率が多いと、更に人手不足が深刻化し、より働きにくい環境になるという悪循環に陥ってしまいます。 国もこのことを問題視していて、対策を立てていますがまだまだ追いついていません。医療格差
医療格差といえば、発展途上国を想像しがちですが日本国内でも医療格差はあります。世界
世界の医療格差によって医療が適切に受けられていない国の多くは発展途上国です。 それらの国では、5歳未満の子供や妊産婦の死亡率が高く、子供の年間死亡率は年間約540万人、サハラ以南のアフリカでの妊産婦は16人に1人が亡くなると言われています。 また、伝染病や感染症が蔓延しやすいことも問題点です。マラリア、結核、HIV、エボラ出血熱、デング熱などが多く見られます。本来ならワクチンで防げる病気もたくさんあります。 このような格差を解消しようと国境なき医師団やジャパンハートなど多くの団体が支援しています。 しかし、現在も医療格差は続いています。私達には何ができるのでしょうか。日本国内
日本での医療格差の一つとして地域や診療科による医師の偏りが挙げられます。都市部に医師が偏ってしまい、地方で無医村・無医地区が増加していることが大きな問題となっています。また、産婦人科、小児科などの特定の診療科の医師数が減っている診療科での格差も起こっています。
高齢者医療
高齢者が増えることによって病院や介護施設など医療の需要が増します。高齢者の疾患は成人とは違う点もあり、その特徴に合わせた診察、治療も必要になります。けれど、高齢者のための医療に偏りがちになってしまってはいけません。病気や障害を抱えていて医療が必要な成人、子供もたくさんいます。私達だって、病気や怪我をしたときは医療が必要です。
なので、みんなが平等に必要なときに受けられる医療制度・体制が必要です。
⇧(厚生労働省より引用)
バランスが崩れ始める国民皆保険制度
先ほど説明したように、日本では公的すべての国民が必要な医療を受けることができる「国民皆保険」という制度があります。しかし、現在この制度が崩れ始めています。 医療保険は若い人が高齢者の医療を支えるような仕組みになっています。ですが、現在の日本は少子高齢化社会です。当然、少ない若者がたくさんの高齢者を支えきれるわけがありません....。このことも大変問題視されていて、国もこの問題を早期解決しようと動いています。よりよい医療のために私達ができること
ここまで、たくさんの医療の現状を見てきました。どうでしたか?思っていた通りだった人、予想外だった人、いると思います。 今まで紹介してきたのは数ある中の一部に過ぎません。それだけでも多くの問題点がありましたね。日々、医療技術は進化しているものの解決しなければいけない問題もあります。では、私達はよりよい医療のために何ができるのでしょうか?
☑医療について調べる・知る
えっ、それだけ?と思う人もいるかも知れません。でも大事なことです。少しでも医療に興味を持って、知りたい!と思ってほしいなと思い私達はこのサイトを作りました。 直接は、問題解決に繋がらないかもしれないけれど、知っていったら、もしかしたら医療に関する職業に興味が出るかもしれない。募金やボランティアをしてみようと思うかもしれない。 なので、ぜひ調べてみてください!☑健康的な生活をする
予防医療のページで説明したような生活習慣病を予防するために必要なことです。高齢化社会になっても、、医療体制を確保するためには一人ひとりの「健康寿命」を伸ばすことが重要です!
☑よく考えた受診を心がけよう
近年、夜間のコンビニ受診(コンビニに行くように緊急ではないのに気軽に受診する。)や緊急時以外の救急車要請などが増えています。 これらを減らしていくことで、より緊急性の高い人が医療を受けることができます。しかし、緊急なのかどうか迷うこともあると思います。そんなときは、#7119(救急安心センター事業) に電話をかけてみてください。ここに相談することで、どんな判断が適切か教えてくれます。 また、小児の場合は#8000にかけても大丈夫です。
⇧(東京消防庁HPより引用)
私達が考える医療の在り方
ここまで、医療についてじっくりと考えることができましたか?最後に私達の考える医療のあり方について述べていこうと思います。
現在の医療は人手不足や医療格差、少子高齢化問題などで崩れ始めていることがわかりました。もちろん、日々医療が進んでいて治すことができる病気が増えていたり医療が良い方向にも進んでいることは事実です。しかし、現在、日本でも世界でもみんなが平等に良い医療を受けられる状態ではありません。また、医療は治すだけではありません。リハビリや心のケア、ホスピスなど様々な面でも支えていかなければなりません。これらの事実を知らない人もたくさんいます。これではいけないと私達は思います。
医療は生まれてから人生の最期まで、なくてはならないものです。ですが、医療について知り、よりよい医療のためを考える環境はあまり整っていません。よりそばに医療がある。そんな状態が望ましいのかなと思います。もちろん健康に越したことはありませんが、予防のページで述べた通り、「健康」も医療と関わりがあります。 病気やけがの時だけでなく、健康なときも寄り添い、サポートしていけるような医療になればいいなと思います。そのためには、まずは知ることが大事です。「今」を知り、「これから」について考え、声を上げることがよりよい医療に繋がります。
