賛成意見③
もと:私は、野生動物の中では生存本能としてルッキズムの概念があると聞いたことがあるよ。
こたくん:へえ、それは知らなかったよ。どんな動物がいるの?
もと:例えば、クジャクのオスがあるね。大きな羽を広げてメスに求愛行動をするけど、メスの判断基準は羽の綺麗さや、目玉模様の数、などが挙げられるよ。
えだ:それ、私も聞いたことがあるよ。強いこと、健康であることをアピールするためなんだって。
もと:そうそう。人間にも、このことが言えるんじゃないかなと思ったんだ。学校のアンケートで、面接で証明写真から判断する際に採用するのはどちらか、という質問をしたのだけど、男性は100人中96人、女性は100人中92人が服の着こなしや見た目がきちんとしている人を選択していたんだ。このアンケートは極端に選択の内容を乖離させたけど、動物が強い子孫をと残そうとするように、会社もブランディングというものがあるだろうから、見た目による判断はやはり重要になってくるんじゃないかな?
岡本:確かに身だしなみをきちんとしていないと、他が良くても近づき難い印象は少なからず与えるだろうね。
もと:それぞれの人間の「らしさ」の否定ではなくて、女性らしさ・男性らしさや健康的に見えることなどの外見の良さに対する見た目判断は生きていく上で大切になるだろうから、ルッキズムを全面的に批判することは、動物的な本能に逆らった行動になるのではないか、と思ったよ。
紫:ルッキズムという概念は、同じように人間の中にも潜んでいる、ということだね。
えだ:うーん、私も道ですれ違った人に外見に「かっこいい」「きれい」と思うことはあるなぁ。けれど、人間は生存本能と併存して理性があるから、どこかで、本能である「見た目だけの判断」を理性で制御しなければならないと思うな。
もと:そうだなぁ、人間社会では動物の要素とは比にならないほどの多種多様な人がいるから、理性を働かせてすぐに人格否定をしないようにする必要はあるね。
こたくん:本来の生き物の習性から考えるのは、なかなか斬新でいいね。