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船橋市南部清掃工場の見学

観光地のゴミ問題について考える中で、私たちは可燃物清掃工場の見学に行きました。
見学した清掃工場は、ゴミがあふれる観光地の近くにある施設ではありませんが、観光地で出たゴミの処理について考えるうえで共通する点が多く、参考になると考えました。ゴミの処理方法を実際に知ることで、観光地のゴミ問題は「捨てる場所」だけでなく、「その後の処理」まで含めて考える必要があると感じました。

船橋市南部清掃工場

船橋市三番瀬海浜公園の近くにある南部清掃工場は、市内で出た可燃ゴミ(燃やすゴミ)を焼却処理する施設です。
1日に最大339tのゴミを処理することができます。
2020年に建てられた新しい施設で、最新技術を使い、環境に対して様々な配慮をし、また、可能な限り再資源化への努力をおこなっていました。


見学ルート
施設1階のパネル 船橋市の「ごみの分別」の状況について学べます。
施設3階 「ごみ分別収集選手権」の体験、タッチパネルを使ったクイズ、ゴミの重さ当てゲームなどがあり、楽しみながらゴミから地球環境を考え、どうゴミを減らしていくべきかを考えることができます。
また、3階では10分程度の映像鑑賞もあり、ゴミ処理の流れや船橋市のゴミについて詳しく説明されています。
施設5階 大きなクレーンがゴミを攪拌している様子、機械の運転をコントロールしている中央制御室など、「ごみ収集」に関して実際稼働している工場内を見学することができます。
施設の外 計量器に乗り重さを計る体験ができます。本来この計量器には清掃車が乗って収集したゴミの重さを計ります。

ゴミ処理の工程

プラットホーム 家庭から出たゴミを集めたゴミ収集車は、ゴミ計量機でゴミの重さを量り、プラットホームと呼ばれる場所にきます。プラットホームにはゴミをゴミピットへ入れるための扉があり、普段は閉まっていますが収集車が近づくと自動的に開き、ゴミがピットに投入できるようになります。
ゴミピット・
    ゴミクレーン
ゴミピットに貯められたゴミをゴミクレーンで撹拌し、燃えやすいもと燃えにくいものを均一にしてから焼却炉に投入します。
焼却炉 焼却炉は850度以上の高温でゴミを燃やし、ダイオキシン類などの有害な物質の発生を抑えます。
ボイラ 焼却炉の上部に設置されているボイラでゴミを燃やしたときに発生する高温の排気ガスから熱を回収します。回収した高温の熱を使って水を沸かし、蒸気にします。この蒸気は発電に活用しています。
蒸気タービン・発電機 ボイラで発生した蒸気を利用してタービンを回転させています。それによって、タービンにつながった発電機が回転し電気が作られます。
南部清掃工場にある発電設備は最大8,400kWの電気を作る能力を持っています。一般家庭でおよそ17,500世帯分の消費電力に相当します。
エコノマイザ 焼却炉から出た高温の排ガスをそのまま放出してしまうと、周辺環境が暖められ温暖化などの社会問題になります。そのため、エコノマイザで、排ガスの熱を水で吸収し、処理に適した温度に下げます。
バグフィルタ ゴミを焼却した排ガスには様々な有害物質が含まれています。そのため、バグフィルタで排ガス中のばいじん、ダイオキシン類、塩化水素、硫黄酸化物、水銀を除去し、きれいな空気が煙突へ出されていきます。

清掃工場の運営・維持管理を受託しているJFEエンジニアリングの方に質問しました。

 
可燃ゴミを焼却処理した際に残った焼却灰はどこへ運ぶのですか?
焼却灰には、ゴミにわずかに含まれる鉛やカドミウムなどの重金属が焼却処理によって灰に濃縮されるため有害性が高くなっています。そのため、焼却灰は最終処分場に埋め立てられます。
しかし、船橋市内には最終処分場がないため、市外の最終処分場に埋め立てをお願いしています。
現在は、青森県、秋田県、茨城県など7箇所に運搬しています。
ゴミが正確に分別されていないとどのようなことがおきますか?
ゴミを分別せずにまとめて廃棄処分すると、ペットボトルなどが焼却処分され、温室効果ガスが排出されます。温室効果ガスは、二酸化炭素や一酸化炭素、メタンガスなどを含み地球温暖化を促進するため、環境保護の観点からゴミの分別は必要不可欠です。
また、ペットボトルなどの資源ゴミはリサイクルされ再利用できるため、しっかり分別する必要があります。
煙突の高さはどのくらいですか?
煙突の高さは約59mです。
煙突から排出される空気は「バグフィルタ」で排ガス中のばいじん、ダイオキシン類、塩化水素、硫黄酸化物、水銀を除去しているため環境に影響を与えません。
都内の清掃工場の煙突はもっと高いものがありますが、南部清掃工場は周辺に民家がないなどの立地のため、それほど高くありません。
調査報告書

船橋市南部清掃工場では最新の設備が整い、環境負荷を可能な限り低減した施設となっていました。
熱の利用
ゴミを燃やしたときに発生する高温の排気ガスから熱を回収して発電に活用しています。
さらに、ボイラーで発生した蒸気を利用して電気が作られます。
年間5300万キロワットアワーの発電を行い、ゴミ処理施設の運転に必要な電力をまかなっています。余った電力は売電し収益として扱われています。

環境に配慮
焼却は850度以上の高温でおこない、ダイオキシン類などの有害な物質の発生を抑えています。
ゴミを焼却した排ガスには様々な有害物質が含まれているため、それらを除去し、きれいな空気が煙突へ出されていきます。
焼却灰を埋める最終処分場には限りがあるため、なるべくゴミを出さない、再利用できるものは分別しないといけないことがわかりました。

最終処分場がない
船橋市にはゴミを処理する際に発生する灰の最終処分場がないため、市外にもっていかなくてはなりません。運搬には多額の費用がかかるため、可能な限りゴミの排出を抑えることが必要だと感じました。

この見学を通して、ゴミを正しく分別し、出さない工夫をすることが、観光地の環境だけでなく処理現場の負担を減らすことにもつながると分かりました。