原子・イオン


この世界の殆どは「原子」によって構成されています。
放射線のことを理解するには、この「原子」がどういうものか少しでも知っておく必要があります。
ここでは「原子」と原子が変化してできる「イオン」について紹介します。
  

原子


 原子というのは物質を構成する粒の単位です。
原子は中心にある原子核と、その周りを飛び回っている電子とで構成されます。
さらに、原子核は、陽子と中性子という2種類の粒子で構成されています。
陽子はプラスの電気、電子はマイナスの電気を帯びていて、その電気量は同じです。
中性子は電気を帯びていません。
陽子と電子は1個の原子の中に同じ数だけあるので、原子全体では電気的に中性です。

また、陽子と中性子の質量はほぼ同じ、電子の質量はその二千分の一なので、
原子の質量は陽子と中性子の数の合計で決まります。


  

イオン


 「原子」で説明したように、普通の原子は電気的に中性です。
これは、原子1個の中の陽子と電子の数が同じだからです。

しかし、電子は原子の外周を飛び回っているので、何かの影響で原子から外れることがあります。
逆に、外から別の電子が原子の中に飛び込んでくることもあります。
電子を手放すとマイナスの電気の割合が低くなるので、原子はプラスに帯電します。
電子を受け取るとマイナスの電気の割合が高くなるので、原子はマイナスに帯電します。
このようにして、プラスやマイナスに帯電した原子のことを「イオン」と言います。

プラスとマイナスの電気には互いに引き付け合う力が働き、
プラスとプラス、マイナスとマイナスの電気には互いに退け合う力が働きます。

ちなみに、プラスに帯電したイオンを「陽イオン」、マイナスに帯電したイオンを「陰イオン」と言います。