１、動物への影響

私たちは知らない間に酸性雨の影響を受けています。

傘をさしているのだから、自分は酸性雨の被害を受けているはずはない、なんて考えは甘いです。

酸性雨の被害は回り回って結局自分たちを苦しめることになるのです！

酸性雨中に溶けていた銅などの金属はプランクトンに食べられ、金属を食べたプランクトンを小魚が食べ

その小魚を大型の魚が食べ、さらに大型の魚を人間が食べる。

こうして化学物質が食物連鎖によって濃縮される事を「生物濃縮」と言います。

私たちは生物濃縮によって影響を受けているのです！

川や湖沼に棲んでいる生き物は、たいていph４.5以下になると死滅してしまいます。

残っていられるのは酸性に強い一部の昆虫かプランクトン、水草だけとなってしまいます。

一度壊れた生態系はもう二度と完全な形に戻ることはありません。

２、植物への影響

主にニュースで扱っているので、知っている人も多いかと思います。

有名なところでは、ドイツの森林のシュバルツヴァルトが立ち枯れしているという現象です。

似たような現象は世界各地でも起こっています。

日本でも都会近くにある標高1000〜2000mの山岳地帯にある針葉樹林、広葉樹林で木が枯れ始めているんです！

これは都会の大気汚染物質が雨と一緒に降ってきているということなのです。

３、建造物への影響

コンクリートでできている建造物を溶かしてしまうこともあります。

酸は炭酸カルシウムカルシウムの炭酸塩。
強酸と反応して二酸化炭素を放出する。 を溶かします。

ということは炭酸カルシウムを主成分とするコンクリートも溶かしてしまうということです。

こうして溶けた炭酸カルシウムが空気中の二酸化炭素に触れることで再び固まるのです。

こうして建物のコンクリートが溶けて氷柱のようになるのです。

化学反応式　CaCO3 + 2H^+ →Ca^2+ + H2O + CO2