インクジェットプリンタのインク


インクジェットプリンタはシアン・マゼンタ・イエローの3色のインクを混ぜて用いることで
ほかの色を表現する減法混合というものが用いられている。
しかし黒は完全な黒を表現することが難しく更に減法混合で表現した場合にインクの消費量が多くなってしまうため、
一般のプリンタではシアン・マゼンタ・イエロー・ブラックの4種類のインクを用いて印刷を行なっている。
高級機種ではさらに表現の質を向上させるためにこの4色の他に
ライトシアンやライトマゼンタという通常のシアンマゼンタよりも薄いインクを搭載しているものもある。
原色としてこの3色が用いられている理由としては、赤・青・緑の三原色を用いた際に
表現するのが難しい色域が鮮やかな緑・シアン・マゼンタだったためである。
また、インクの種類にも2種類あり、顔料系のインクと染料系のインクの2種類である。
顔料系のインクは水中に散っているインク色素を印刷対象に付着させたのちに
水分を蒸発させて紙面に定着させたものである。
顔料系の場合耐水性、耐光性などにすぐれ、印刷後の色の変動が少ないなどの利点があるが、
その一方で摩擦に弱い、乾燥が遅い、光沢が出にくい、ヘッドが詰まりやすいなどの欠点もある。
現在では顔料の中に光沢を出すための透明なインクなどを導入しているメーカーもある。

染料系のインクは印刷物に色素をしみこませることで色を付ける。
光沢が出やすく乾きやすい反面、
耐水性や耐光性が低く、昔のものではあるが彗星マーカーでなぞっただけで滲んでしまう場合もあった。

水系のインクは紙や布などの液体吸収素材への印刷には適しているがプラスティック、金属などの印刷には適していない。
そのため、これらの素材に印刷を行う場合には油インクやインクを紫外線や電子線などで硬化させるUV硬化インクなども存在している。
インクジェットプリンタを用いて紙に印刷する場合、普通紙ではインクがにじんでしまい
裏側まで染みてしまうという裏抜けという現象が発生することもある。
そのためメーカーは専用紙と呼ばれるものを開発販売している。
専用紙には紙の上に高分子などを用いてインクを固着させるコート層を形成したコート紙や、
コート紙に光沢をもたせた光沢紙などがある。
また、インクジェットプリンタの技術は、布への印刷などから回路の製造まで幅広く応用して用いられている。