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各章の考察

■一章


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 ■授業が果たす役割


授業が果たす役割
 
 この章は、旧版にはかかれておらず、第四版で加えられた章である。午后の授業は、ジョバンニとカムパネルラの銀河鉄道の旅を読み進めるにあたり、導入部として重要な役割を果たしている。
 ジョバンニ達の先生の「ではみなさんは、そういうふうに川だと云われたり、乳の流れたあとだと云われたりしていたこのぼんやりと白いものがほんとうは何かご承知ですか。」という言葉から、この物語は始まる。ここですでに、物語のkey wordsとなる、「川・乳の流れ」といった銀河の概念が読み手に提示されているのである。
 さらにこの章では、ジョバンニの生活の状況が描かれている。仕事が忙しいこと。手を挙げても、はっきりと意見を言うことができないこと。ザネリなどのクラスメートに日常的からかわれていること。カムパネルラとジョバンニは幼い頃からの友達であったが、最近ではあまり話していないことなどである。
 午后の授業を通じて、読み手は銀河の美しさを思い描き、その銀河とジョバンニが今後どのように関わっていくのか、期待をふくらませることになるのである。

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