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各章の考察

■六章

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 ■鉄道線路


鉄道線路

 ・・・円い板のようになった地図を、しきりにぐるぐるまわして見ていました。まったくその中に、白くあらわされた天の川の左の岸に沿って一条の鉄道線路が、南へ南へとたどって行くのでした。・・・

 カムパネルラが銀河ステーションでもらった真っ黒な円盤には二人が旅する鉄道の線路が描かれていた。この円盤は「ジョバンニはなんだかその地図をどこかで見たようにおもいました。」という描写から、星座早見であると考えられる。
 ジョバンニは黒い丘で「北の大熊星」や「琴の星」を目にしている。また、銀河鉄道に乗ってすぐに、二人は白鳥の停車場についている。話を読み進めていくと、「蝎の火」や「サウザンクロス」を通り過ぎることになる。
 ここで、星座早見盤を手に取り物語を再度見直してみる。すると、回転板の窓の中央にあたる天頂(北)からジョバンニ達の旅は始まり、だんだんと南へ進んでいることが目にとれる。賢治は星座早見を参考にしながら、ジョバンニとカムパネルラが旅する銀河鉄道を頭に描いていたのではないだろうか。
また、ジョバンニ達は天の川にそって旅を続けていることがわかる。ジョバンニ達の旅に、星座早見、銀河、そして天の川(川)といった要素は重要な働きをしている。

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