2-14. 水圧と浮力(2)
先生 次に、物体を水の中に入れたときを考えてみよう。
先生 物体の左右からの圧力は、どの深さでもつりあうので、結局つりあって0だね。
一弥 ええ。
先生 しかし図のように、当然上面と底面では、深さに違いがある
先生 水圧は向きに関わらず深さに比例するので、底面1[m^2]あたりの上下の水圧の差は、 水圧の差=ρ*h*g-ρ*(h-x)*g というように表すことができる。
柚莉亜 ???
記号が多くてよくわかんない……。
先生 図と見比べてみよう。
先生 そして、その水圧の差に底面積をかけ算すると、物体が水から受けている力の合計が求められる。 受ける力の合計[N]=S[m^2]*ρ[kg/m^3]*x[m]*g そして、この上向きの力のことを『浮力』と呼んでいるんだよ。
先生 このとき、 S[m^2]*x[m]→物体の体積 と見ることができるね。
なので、 浮力[N]=(液体の密度)[kg/m^3]*(物体の体積)[m^3]*g(9.8...) と表せるんだ。
一弥 下向きに働く力と、上向きに働く力を比べたとき、その差を調べると、たまたま下のほうが大きかった。
それではこれを『浮力』と呼んで見ようかということなんですね。
先生 そういうことかな。
先生 物体はどんな形でも、上の式で表されるだけの浮力を受けるんだ。
つまり言い換えると、『中の物体と同じ体積の液体の重さ』と同じ分だけ軽くなる、ということなんだ
先生 そして、物体に働く重力の大きさが、浮力より大きければ沈むし、逆ならば浮くということだね。
先生 このことはずーっと昔、古代ギリシャの物理学者アルキメデスという人が公衆浴場で発見したんだよ。
彼は湯船で見つけたこの大発見をまとめるために、なんと服も着ないままで家まで走り帰ったと伝えられているんだ。
柚莉亜 その話は聞いたことあります。
先生 じゃあこの問題はわかるかな?
QUESTION

アルキメデスは王様から、金の王冠に銀が混ぜられていないかどうかを調べるように頼まれていた。
純金の王冠と金と銀を混ぜた王冠、秤で計ったところ重さが等しかった。
それらを水に入れたらどうなる?

(1)等しい

(2)純金の方が重い

(3)銀入りのほうが重い

一弥 これは、確か(2)でしたね。
先生 理由はわかるかな?金は銀より重い=密度が大きいんだ。
ということは、『同じ重さだったら銀の方がたくさんの量がある』と言えるよね。
先生 たくさんの量がある=体積が大きい。ということは、同じ重さだったら銀入りの方が体積が大きい。
先生 体積が大きい物体は、小さい物体に比べて水に入れたときの浮力はどうなるかな?
柚莉亜 大きくなると思います。
先生 それはどうして?
柚莉亜 だって、同じ重さの金属でも、それがただの塊なのと、 箱状に加工してある、つまり体積を大きくさせているものだったら、箱が塊より浮きやすいから……。
先生 そう、さっきの式から大きくなるとわかるよね。 浮力[N]=(液体の密度)[kg/m^3]*(物体の体積)[m^3]*g(9.8...)
先生 つまり、銀入りのほうが浮力が大きい。
先生 よって、重さから浮力の分を引いた合力は、銀が混じると軽くなる。だから答えは(2)だよ。
先生 浮力は、さっきで見たとおり、下に液体がないと働かない。
なので、たとえば水槽の底につけた吸盤なんかには浮力ははたらかないんだ。
まとめ

・気体と同じように液体も圧力を与える。

・水なら水圧、油なら油圧と呼ぶ。

・大きさは深さに比例し、液体の密度ρ×深さh×g(9.8……)で表される。

・物体の上面と底面にかかる圧力の合計の差が浮力で、物体と同じ体積の液体の重さと大きさが等しく、 液体の密度ρ×物体の体積×gで表され、上向き。

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