物理用語集

比例・反比例

===特に基本、たくさん出てくるので必修です===

比例は、式にするとY=aXと表される関係。
aがその場合によってちゃんと決まっている値で「比例定数」という。
Xは変数で、これに値を代入するとYがただ一つだけ決まる。
このとき、Xがどんな値のときでも必ずXのa倍がYになる。
そしてXが2倍3倍になったら、同じようにYも2倍3倍になる。

例えば、
Y=aXで、比例定数a=7のとき、Y=7X
Xにたとえば3を入れたら、Y=21。つまり、X…3,Y…21
同じように

反比例というのは比例の逆。Y=a/Xと表される。
Xが2倍3倍になったら逆にYは1/2、1/3になってゆく関係。

例えば、
比例定数a=2のとき、Y=2/X
つまり、

物理学では、比例定数、変数はそれぞれ量記号で表されるので、注意が必要。
例えば、「最大摩擦力は、垂直抗力に比例する」という関係では、
「最大摩擦力=μN」と表されるが、このとき、
比例定数=μ(ミュー:ギリシャ文字)
変数X  =N(垂直抗力)
変数Y  =最大摩擦力
となる。

また、比例定数が単項式であるとは限らない。

☆関連項目
1-7. 重さと質量(2)
1-8. 重さと質量(3)
2-2. 重力
2-5. 摩擦力(1)
2-6. 摩擦力(2)
2-10. フックの法則
2-13. 水圧と浮力(1)
2-14. 水圧と浮力(2)
3-4. 運動の法則

量記号F,f
単位[N](国際単位系)
ベクトル参照
物体の運動の状態を変える。また、物体を変形させる。

運動

力学上での「運動」とは、

・物体が「止まっている」
・「どんな速さでどっち向きに動いている」
・「だんだん速くなっている」

などの動き方のこと。

ニュートン[N]

国際単位系での力の単位。[kg・m/s^2]と表すことが出来る。
1[kg]の物体に1[m/s^2]の加速度を与える力の大きさが1[N]である。
また、1[kg]の物体の重さが約9.8[N]であることから、100[g]の物体の重さ(100[gw])と同じくらいだと言える。

量記号

例えばx[m]と置いたときのxのように、何かの量を表すときに用いる記号。
英語の頭文字などで決められており、見た人がこれは力だ、速度だ、などと判別できるようになっている。

力F,f 重さW 張力T 垂直抗力N 長さx,l 半径R,r
高さh 面積S 体積V 時間t 速さ・速度V,v 加速度a
質量M,m 角度θ 摩擦係数μ バネ定数k 密度ρ 等。

作用点

物体が力を受けている場所。力のベクトルを書くときの始点となる。

作用線

力のベクトルが乗っている直線。作用線が等しいと合力を求めやすい。
つりあっている2力は作用線が等しい。作用と反作用も作用線が等しい。

ベクトル

===力や速度などを表す力学では重要な考え方===

力、変位、速度、加速度などの、「大きさ」だけでなく、「向き」も持っている量のこと。
矢印を用いて表し、長さでその大きさを示す。 → また、複数のベクトルを合成することができる。
方法は1-4. 力の合成・分解
参照のこと。
逆に、一つのベクトルを分解することができる。

座標軸に平行に分解したそれぞれを、成分と呼ぶ。
ベクトルの成分同士は、向きを考えずに足し引きできるので、非常に便利。
したがって、図などでは、縦と横とを分けて考えることが多い。

また、基準点を決めて、その点がどの位置があるかを示すベクトルを位置ベクトルといい、変位を表すのに使う。

☆関連項目
1-3. 力の表し方
1-4. 力の合成・分解
1-5. 力の成分
3-1. 速度
3-3. 加速度

平行四辺形の法則

ベクトル参照

合力

合成された力のこと。
合成は→ベクトル参照

三角比

===ベクトル成分を表すときに使用する===

直角三角形は、角度が一つ等しければ、全ての辺の比が等しい。 従って図のように、
A:B:C=a:b:c
という関係が成り立つ。

ということはつまり、角度θによって、それぞれ「A/C(=a/c)」や、「B/C(=b/c)」の値が決まっているということ。
この、「A/C(=a/c)」の値を、その角度θの「cos(コサイン)」、
「B/C(=b/c)」の値を、その角度θの「sin(サイン)」と呼んでいて、
0°~90°まで、(直角三角形になるのはその間。)値が求められているので、調べて使うことが出来る。
例えば、今、大きな三角形で、Cの長さと角度θが分かっていて、Aという横の長さを求めたい時は、
A=Ccosθ(つまりA=C×A/C)で求めることが出来る。
逆に、縦の時は、B=Csinθ(つまりB=C×B/C)で求めることが出来る。

☆関連項目
1-5. 力の成分

アイザック・ニュートン(Isaac Newton)

運動の3法則をまとめ、ニュートン力学を始めた人。
当サイトのアドレス[http://newtonism.jp](2006年3月現在)は、彼の名に由来している。

運動の3法則

アイザック・ニュートンによってまとめられた。
第一法則「慣性の法則」
第二法則「運動の法則」
第三法則「作用反作用の法則」

質量

量記号M,m
単位は[kg](国際単位系)
物体が持っている量で、二つの意味で定義されている。

(1)「重さのもと」
物体同士は引き合うが、その大きさを決める量。万有引力の法則によると、2物体間の引力は互いの質量に比例して大きくなる。
また、重さは「地球」と「地上の物体」の間の引力の大きさなので、重さは質量に比例する。

(2)「動き出しにくさのもと」
物体の、押しても動き出しにくい、加速しにくいという性質を「慣性」といい、その大きさを決める量。

重さ

物体の受ける重力の大きさのこと。
量記号W
単位は[N](国際単位系)
一般的に用いられる「重さ○○[kg]」というときの"重さ"は質量の意味なので、物理学上では区別が必要。

万有引力

全ての物体は引力を持っているという考え。
アイザック・ニュートンが提唱した。

国際単位系

長さに[m]、質量に[kg]、時間に[s(秒)]など、7つの量に基本の単位を定めて、これを組み合わせて表された単位の集まり。

慣性

物体がその質量に比例して持っている、「静止状態か等速直線運動を続けようとする性質。
具体的には、慣性が大きいほど「動き出しにくい」「加速しにくい」「進行方向を曲げにくい」「止まりにくい」

慣性の法則

運動の第一法則。
物体が力を受けないか、受けている力がつりあっているとき、静止している物体は静止し続け、 運動している物体は等速直線運動し続ける。

作用・反作用

ある物体に着目したとき、その物体が力を受けたとすると、その受けた力を作用と言う。
その物体に力を加えた側も、作用反作用の法則に基づき力を受けている。
その力を反作用と言う。

作用反作用の法則

運動の第三法則。
物体Aが力を受けるとき、物体Aに力を加えた側の物体Bも、Aが受けた(Bが加えた)力と同じ作用線上で大きさが等しく、向きが反対な力を受ける。

重力

地球と物体の間の引力と、地球の自転によるわずかな遠心力との合力。
万有引力の法則により、地上で質量1[kg]の物体の受ける重力は約9.8[N]と求められる。
量記号W
単位は[N](国際単位系)

重力加速度g

物体が重力を受けることで発生する加速度。
値は約9.8で、場所により異なる。
標準重力加速度は9.80665[m/s^2]と定められている。
運動方程式より、W=mgと置ける。

慣性力・遠心力・見かけの力

慣性の法則で示されるとおり、物体は力を受けないと静止もしくは等速直線運動をする。
それがある力Fを受けて速度(速さ、進行方向共に)を変えようとするとき、 物体と共に運動する観測者にとってはまるで物体が動かすまいするFと逆向きの力F'を受けていて、 FとF'がつりあっているような状態だと観測される。
このF'を慣性力という。
慣性力は実際にその向きに引っ張っているものが無いので、「見かけの力」と呼ばれている。
遠心力は円運動に伴う慣性力で、上記の説明のFに当たるのが向心力(求心力)。

垂直抗力

量記号N
単位は[N](国際単位系)
面に力を加えたとき、その反作用として受ける面に垂直な力。

弾性力

物体が変形したとき、元に戻ろうとして引っ張ったり押したりする力のこと。
戻ろうとする"性質"のことは弾性という。

静止摩擦力

「摩擦で動かない」ときの摩擦力。
単位は[N](国際単位系)
物体を滑らせようとする力の反作用なので、その力と逆向きで同じ大きさ。

最大摩擦力

静止摩擦力の最大値。
単位は[N](国際単位系)
これを超えると物体は滑り出す。
この大きさは2面の状態で決まり、垂直抗力に比例する。

静止摩擦係数

最大摩擦力と垂直抗力の間の比例定数。
2面の状態によって定まる数値。
(2面の間の最大摩擦力)/(2面の間の垂直抗力)で求められる。
量記号μ

動摩擦力

「擦っている」ときの摩擦力。
単位[N](国際単位系)
2面の間の速度によらず、2面の状態で決まり、垂直抗力に比例する。

動摩擦係数

動摩擦力と垂直抗力の間の比例定数。
2面の状態によって定まる数値。
(2面の間の動摩擦力)/(2面の間の垂直抗力)で求められる。
量記号μ'

張力

量記号T
単位は[N](国際単位系)
物体を糸などで引っ張ったときに物体がその糸から受ける力。

フックの法則

バネの伸びと引く力は比例するという法則。
バネ定数k(単位は[N/m](国際単位系))を用いて、F=kxと表される。

圧力

単位は[Pa](国際単位系)
単位面積あたりに受ける力の大きさ。

気圧

単位は[Pa](国際単位系)他に[hPa][気圧]
気体の分子が物体に衝突するとき、単位面積あたりに受ける力の大きさ。
面に対して垂直な向きに働く。

大気圧

単位は[Pa](国際単位系)他に[hPa][気圧]
大気による気圧のこと。標準大気圧は1013.25[hPa]

水圧

単位は[Pa](国際単位系)他に[気圧]
水の分子が物体に衝突するとき、単位面積あたりに受ける力の大きさ。
面に対して垂直な向きに働く。液体が油の時を特に油圧という。

浮力

単位は[N](国際単位系)
物体に働く水圧(時に気圧)の鉛直方向の成分の差により発生する、物体をうかせようとする力。
浮力をF、液体の密度をρ、物体の体積をV、gを重力加速度とおくと、
F=ρVgと表せる。

速さ

単位は[m/s](国際単位系)
単位時間当たりの変化した長さ。速度の大きさ。

速度

単位は[m/s](国際単位系)
ベクトル参照
単位時間当たりの変位。

位置ベクトル

ベクトル参照

変位

単位は[m](国際単位系)
ベクトル参照
位置が変化したとき、その位置ベクトル変化。始めのベクトルと終わりのベクトル差。

加速度

単位は[m/s^2](国際単位系)
ベクトル参照
単位時間当たりの速度の変化。

運動の法則

運動の第二法則。
質量をm、加速度をa、物体が受けている力全ての合力をFとおくと、 運動方程式ma=Fが成り立つ。

等速直線運動

等速度運動とも言う。速さの変わらない直線運動。
物体が力を受けていない、または受けている力の合計が0のときの運動の状態。 等速直線運動

等加速度直線運動

加速度の変わらない直線運動。
物体が一定の力を受けているときの運動の状態。 等加速度直線運動

放物運動

物体を地表(重力下)で投射した時に、弧(放物線)を描く運動。
放物線の例として、二次関数のグラフが挙げられる。

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