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世界遺産とは -保護-


 世界遺産条約の前文には、世界の遺産を国際的な保護のもとにおき、保護活動に参加することは国際社会全体の任務であるとしています。今日、世界遺産の中には、戦争や自然災害、環境汚染などで後世に残すことが難しくなっているものがあります。

 世界遺産基金
 保護活動の一環として、ユネスコは「世界遺産基金」を設立しました。これにより世界遺産条約の加盟国は、保護のために国際援助を求めることができます。この基金は、世界遺産の登録・保護・保全・整備のために専門家の養成、必要な機材の購入、修復工事などに使われています。基金の財源は、
@世界遺産条約加盟国に義務付けられた分担金
A各国政府のによる自発的拠出金
B団体や個人による寄付金     によるものです。
     

 危機遺産
 また世界遺産委員会は、とくに危機の状態にあるものを「危機にさらされている世界遺産リスト(危機遺産リスト)」に登録しています。2007年現在31件あり、特別の保護を呼びかけています。危機遺産の条件は、
@「世界遺産リスト」に登録されている
A特定の深刻な危機に脅かされている
B保存のための大規模な措置が必要
C条約に基づく援助が要請されている     と設けています。

 危機遺産リスト
2006年7月現在31件
国名 遺産名 危機リスト
記載年
理由 遺産分類
エルサレム エルサレム旧市街と城壁 1982年 都市化 文化
ベナン アボメーの王宮 1985年 竜巻被害 文化
ペルー チャン・チャン遺跡地帯 1986年 潮風・盗難 文化
インド マナス野生生物保護区 1992年 密猟 自然
ギニア/
コートジボワール
ニンバ山厳正自然保護区 1992年 難民の流入 自然
ニジェール アイルとテネレの自然保護区 1992年 市民暴動 自然
アメリカ合衆国 エヴァーグレーズ国立公園 1993年 農薬・都市化 自然
コンゴ民主共和国 ヴィルンガ国立公園 1994年 森林伐採 自然
エチオピア シミエン国立公園 1996年 道路建設 自然
コンゴ民主共和国 ガランバ国立公園 1996年 密猟 自然
ホンジュラス リオ・プラターノ生物圏保護区 1996年 農地拡大・密猟 自然
コンゴ民主共和国 オカピ野生生物保護区 1997年 武力抗争 自然
コンゴ民主共和国 カフジ=ビエガ国立公園 1997年 軍隊の潜伏 自然
中央アフリカ マノヴォ=グンダ・サン・フローリス国立公園 1997年 密猟 自然
コンゴ民主共和国 サロンガ国立公園 1999年 密猟・不法侵入 自然
イエメン 古都ザビド 2000年 都市化 文化
パキスタン ラホールの城塞とシャリマール庭園 2000年 道路拡張 文化
エジプト アブメナ 2001年 漏水 文化
フィリピン フィリピンの山地の棚田群 2001年 管理体制の不備 文化
アフガニスタン ジャームのミナレットと考古遺跡群 2002年 倒壊の危機 文化
アフガニスタン バーミヤン渓谷の文化的景観と考古遺跡群 2003年 略奪・盗掘 文化
イラク アッシュール 2003年 ダム建設 文化
アゼルバイジャン シルヴァンシャー宮殿と乙女の塔がある城壁都市バクー 2003年 地震・都市化 文化
コートジボワール コモエ国立公園 2003年 密猟・過放牧 自然
ネパール カトマンズ渓谷 2003年 都市化 文化
イラン バムとその文化的景観 2004年 劣化 文化
タンザニア キルワ・キシワニ遺跡群とソンゴ・ムナラ遺跡群 2004年 海水の浸食 文化
チ リ ハンバーストーンおよびサンタ・ラウラの硝石工場群 2005年 地震・劣化 文化
ベネズエラ コロとその港 2005年 豪雨被害 文化
セルビア コソヴォの中世建築群 2006年 管理不備 文化
ドイツ ドレスデンのエルベ川流域 2006年 景観破壊の恐れ 文化

TOPICS
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政府は世界遺産候補の暫定リスト追加を発表(2007.1.29

文化遺産
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