はじめに
このページに出てくる説明は下の図を参考にしてください。
ア イ ウ エ オ が基本
下の表の青い点と赤い点に注目してください。青い点は必ずどの文字にも使われています。まず、あ い う え お が基本となって、そこに決まった点(赤い点)を加えていく、というのが50音のきまりです。
カ行なら⑥の点を、
サ行なら⑤⑥の点を、
タ行なら③⑤の点を加えます。
ローマ字を知っている人は思い出してみてください。ローマ字も a i u e o が基本で、カ行は k がつき、サ行は s がつき、タ行は t がつく・・・というつくりです。
-ローマ字の50音-
ア イ ウ エ オ
a i u e o
カ キ ク ケ コ
ka ki ku ke ko
サ シ ス セ ソ
sa si su se so
タ チ ツ テ ト
ta ti tu te to
ナ ニ ヌ ネ ノ
na ni nu ne no
ハ ヒ フ ヘ ホ
ha hi hu he ho
マ ミ ム メ モ
ma mi mu me mo
ヤ ユ ヨ
ya yu yo
ラ リ ル レ ロ
ra ri ru re ro
ワ ヲ ン
wa wo n
(訓令式)
点字のヤ行のつくりは特別です。
-ヤ行のつくり-
まず、アを下に下げ、④の点を加えます。すると、ヤになります。
同じように、ユはウを、ヨはオを下に下げます。ワ行も、ア オ を下げています。
が ぎ ぐ げ ご 濁音の書き方
「か」「き」「く」「け」「こ」に「゛」をつけると、「が」「ぎ」「ぐ」「げ」「ご」。書き順は「か」を書いてから「゛」をつけます。この「゛」は濁点と呼んでいます。
濁点のついた、がぎぐげご、ざじずぜぞ、だぢづでど、ばびぶべぼ、のことを「濁音」といいます。
下の「キラキラ」と「ギラギラ」を比ると、

がついています。
点字の濁音は⑤の点を前につけるのです。
では、どうしてふつうの文字はあとから「゛」をつけるのに、点字では前に濁点をつけるのでしょうか。正解は、触って読む文字だからです。先に濁点がきた方が、指で触って読むときにはわかりやすいのです。
ぱ ぴ ぷ ぺ ぽ は日本語でどう書くの?
「ぱ」「ぴ」「ぷ」「ぺ」「ぽ」は半濁点と呼びます。半濁点は⑥の点です。
「きゃ」「きゅ」「きょ」はどうかくの?
点字にはこの他にも前に点字をつけてあらわす文字があります。小さい文字の「っ」や「ゃ」「ゅ」「ょ」です。小さい「っ」は促音といって②の点1つであらわします。小さい「ゃ」「ゅ」「ょ」がつく文字は拗音と呼ばれていて、
④の点を前につけます。「きゃ」は④の点に「か」、「きゅ」は④の点に「く」、「きょ」は④の点に「こ」です。
では「しゃ」「しゅ」「しょ」はどうでしょう。拗音にも決まりがあります。④の点の後にくるのは「しゃ」は「さ」、「しゅ」は「す」、「しょ」は「そ」です。そうすると、同様に「ちゃ」は④の点の後にア段の音=「た」、「ちゅ」は④の点の後にウ段の音=「つ」、「ちょ」は④の点の後にオ段の音=「と」となります。他の拗音も同じです。
「ぎゃ」「ぎゅ」「ぎょ」はどう書くの?
点字のなりたちはとてもよく考えてつくられていることがわかります。濁音でもあり、拗音でもある「ぎゃ」「ぎゅ」「ぎょ」も今までのことを組み合わせて考えると、わかります。濁音は⑤の点、拗音は④の点を前につけました。
ですから、④⑤の点を、前につけることになります。
「ぴゃ」「ぴゅ」「ぴょ」も同じつくりです。
半濁音は⑥の点、拗音は④の点をつけていたから、④⑥の点を前につけます。
前につく点が違うと、全然違う文字に!
点字は1点違うだけでも、前につける点が違っても、別の文字になってしまいます。
「そろそろ」と「ぞろぞろ」だとイメージが全然違います。
これだけではない!
これでだいたいの日本語は書けるといいたいところですが、まだ足りません。普段よく耳にする言葉でも、「ジェットコースター」「ボランティア」など、外国から入ってきたこと言葉をカタカナで書きあらわすときに使う「じぇ」や「てぃ」があります。他にどんな言葉を思いつきますか?
ファンタ
チェーン
ジェル
ディズニーランド
ファイト
チェック
こういう外国語を書きあらわすときに使う文字を、特殊音と呼んでいます。特殊音もやっぱり2マス使って書きます。