中性子星を使ったタイムトラベル

太陽よりもずっと大きな天体が生涯の最後に大爆発を起こすと、その星の中心部分がその爆発の勢いで圧縮されて中性子星と呼ばれる超高密度の物体が作られます


この中性子星には地球の表面の1000億倍というとても大きな重力があります

先ほどの「光の性質」の話にあったように、その非常に大きな重力のためこの星の付近では光の進みはとても遅くなり、そのため時間の進みも遅くなるのです

つまり、中性子星で暮らすことは天然のタイムマシンになるのです

では、いざその天然のタイムマシンに乗り込むとしましょう

ただ、ここで問題になるのは、地球の1000億倍もある大きな重力です

人間が中性子星の巨大な重力の中で暮らしたら、たちまちぺちゃんこに潰れてしまうでしょう

それを回避するにはどうすればいいのでしょうか?

その解決法は、中性子星のちょうど中心で暮らすことです

そうすれば、全方向から受ける重力が帳消しにされ、無重力空間の中で暮らすことができます


しかし、それをしようとしたときにまたもうひとつの問題が出てきます

それは、どうやって中性子星の中心まで入ればいいのか、ということです

中心に入るためには、中性子星の中身をくりぬいた上で、そこまでたどり着くために巨大な重力に耐えられる乗り物を作らなければなりません


おそらく、そのような素材でできた宇宙船というものは地球上に存在しないでしょう

では、どうすればいいのでしょうか?

その答えは、中性子星で乗り物を作ることです

中性子星の素材でできた乗り物の中に入ると、その乗り物の中では同じように全方向から巨大な重力がかかって、重力が打ち消されています

そして、もちろん同じ素材でできているので中性子星の乗り物は潰されずに中心までたどり着くことが可能です

そして、十分な時間が経ったら中性子星を内側から爆発させてしまえば中性子星の外に出ることも容易にできます

これがもっとも現実的な手法といえるでしょう

しかし、もし仮にこの大きな二つの壁を越え、7年間中性子星の内部で暮らした後地球に帰ってもわずか10年ほどしか経っていないのです

地球の1000億倍の重力があるといえども、この方法では長い時間のタイムスリップはできないのです

 

 

 

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