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プログラムの進化コンピュータ操作の利便化
通信技術の発達に関しては別項で述べるとしてソフトウェア面では「グラフィカルユーザインターフェイス」の発達がコンピュータの利便化に大きく貢献したと言えるだろう。 ユーザインターフェイスとは、ユーザとコンピュータ端末の間における情報のやりとりの形のことで、大きく分けて二種類存在する。キャラクタユーザインターフェイス(以下CUIと記述)とグラフィカルユーザインターフェイス(以下GUIと記述)の二つである。 まずCUIについて説明する。CUIとはキーボードにより文字にて入力を行ない、文字で出力を行なうという情報交換のやりとりの形式のことで、所謂コンソールというものである。これは初期型のコンピュータからよく見られた形式である。なぜなら、コンピュータプログラムの言語や技術が未発達であったという点もあるが、CUIは文字でのやりとりであったため、高性能コンピュータが高価だった時代に、低性能な低価格コンピュータでも軽快に動作させることができたからである。OSにも利用され、マイクロソフト社のMS-DOSや古いUNIX系のOSはこのCUIによって作られていた。 一般的にCUIは既に廃れてしまったと言われることもある。しかし、グラフィックを多用できる高性能コンピュータの低価格化が進んだ今でも、OSや一部のプログラムの実行に際し、利用することがある。Windowsでいう「コマンドプロンプト」である。また、コンピュータプログラムを作成する際もしばしば使われる。 GUIはCUIとは対照的に、情報の表示にグラフィックスを多用し、また情報の入力はマウスやトラックボールといったポインティングデバイスを利用する。現在の一般的なコンピュータユーザが使用する操作形式がこれで、実装されたOSとしてマイクロソフト社のWindows、アップル社のMacintoshが挙げられる。
GUIが既にコンピュータプログラマーに普及していたCUIに比べコンピュータ上級者では無いユーザにも広く使われるようになったのには理由がある。 一つは、コンピュータが高性能なスペックになる中で、GUIを十分活用できるコンピュータが低価格で提供されるようになったからである。CUIが主流の1970,80年代時点ではマイコンピュータの性能はハードウェア技術が未発達であったため、16進数の表示及び計算が出来る程度で、CUIと機械語でプログラミングを行うのが精一杯であった。その為、GUIは国家予算で開発を進められた軍事用コンピュータや大型研究施設のコンピュータ以外ではなかなか広まらなかった。
もう一つはグラフィックを多用し、マウス一つで操作できるGUIは、使用する特定のコマンドを覚えておかなければならない文字だけのCUIに比べ、コンピュータ初心者にとっては簡単かつ魅力的に感じられるものだったからであろう。 ここでCUIであるMS-DOSとGUIであるWindowsにおける操作の違いを、例を用いて紹介する。たとえばAドライブに入っているテキストファイル(ThinkQuest.txt)を同じくAドライブに入っているディレクトリ(ThinkQuest)に移すとしよう。このときGUIであるWindows上での操作ならテキストファイルをディレクトリにドラッグ&ドロップすればよいが、MS-DOSの場合は MOVE A:\ThinkQuest.txt A:\ThinkQuest\ というコマンドをキーボードにて入力し実行しなければならない。このような文字だけの操作を組み合わせて動作させるDOSに比べ、GUIであるOSの場合は約一回のクリックによって簡単にファイルを移動できる。今も昔も、コンピュータの殆どのユーザーは常に利便化された手軽なコンピュータプログラムを望んでいる。その為、GUI搭載のコンピュータ及びOSは1990年代以降、爆発的に普及していった。 同階層のテーマへ飛ぶ |
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