日本は、飼料自給率が25%(2009年度)で、濃厚飼料自給率は11%のため、海外から穀物を家畜の飼料として大量に
輸入しています。
家畜の飼料には、粗飼料と濃厚飼料の2種類があり、粗飼料とは、生草や干し草、わらなどの繊維が多くて主な
エネルギーとなる飼料のことです。
それに対して濃厚飼料とは、トウモロコシなどのたんぱく質が多い飼料のことで、日本はこの濃厚飼料のほとんどを
輸入に頼っています。
世界の農産物貿易の中で日本は、トウモロコシ第1位、大麦第3位、大豆第4位、小麦第4位の輸入量で、どれも
飼料用にも使われています。
そして輸入した穀物の量と国内で生産した穀物の量を合わせた国内の穀物の消費は、食料よりも飼料用の方が多いです。
穀物の全体の40%以上が飼料用として消費されています。
つまり、直接食べている穀物よりも、家畜に食べさせる飼料用の穀物の方が多いのです。
しかし世界には、トウモロコシなどを主食にしている国もあります。そしてそれは、貧しい途上国が多いです。
世界で生産できる穀物には限りがあるので、先進国が家畜の飼料用に買い占めてしまうと、それらの国々は買えなく
なってしまいます。
日本の穀物の大量輸入は、日本の自給率を下げるだけでなく、途上国の人々の飢餓にもつながってしまうのです。