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光の種類

<電磁波(放射光)>

電磁波とは、電磁場の周期的な変化によって形成された波。 磁場による※1ローレンツ力によって荷電粒子の進行方向が曲げられ発生する。 マイクロ波からX線にいたる広い範囲の連続スペクトルを持っている。 人工のものでは赤外線からX線、天然のものでは電波からガンマ線の範囲のものがあり、 特に可視光に限定して呼ぶことは少ない。 放射光と呼ぶのは人工のものであることが多い。

※波長により図のように分類されますが、はっきりと分かれるわけではありません。 違う電磁波どうしが同じ波長に被ることもあります。

電波(波長:1mm-100km)

少しの波長の違いにより、性質が異なる。 よって、光通信システム、電子レンジ、携帯電話、テレビ、海上無線など様々なものに用いられる。

赤外線(波長:750nm-1mm)※2

スペクトルが赤より外側にある。波長が可視光線よりも長く、電波より短い。 空気中の透過力が大きい。熱作用が大きいので熱線とも呼ばれる。 波長の長さにより、近赤外線(0.7-2.5μm)※2、中赤外線(2.5-4μm)、遠赤外線(4-1000μm)に分けられる。
・近赤外線・・・可視光線に近い性質を持つ。「赤外線通信」や「赤外線カメラ」に使われている。
・中赤外線・・・近赤外線の一部とされることもある。育成光線とも呼ばれ、動植物の成長に必要である。
・遠赤外線・・・加熱作用を持つ。クリーンで安全なエネルギーでる。

可視光線(波長:約380nm-約750nm)

電磁波のうち、人間が見ることのできる波長のもの。いわゆる光。 この波長の範囲より短くなっても長くなっても、見ることができなくなる。 可視光線は、普通、様々な波長が混ざった状態で、白に近い色に見える。 プリズムなどを用いて波長によって分離してみると、それぞれの波長で異なった色をしている。 日本では波長の短い側から順に、「紫・青・緑・黄緑・黄・橙・赤」で七色と呼ばれている。 しかし、これは連続的な移り変わりで、国や文化によって分類が異なる。 波長ごとに色が順に移り変わること、あるいはその色の並ぶ様を、 スペクトルと呼ぶ。

紫外線(波長:10nm-380nm)

スペクトルが紫より外側にある。波長が可視光線よりも短く、X線より長い。 太陽光中にある。化学的な作用がはっきりとわかることから化学線とも呼ばれる。 波長により、近紫外線、遠紫外線、極端紫外線に分けられる。
○近紫外線(波長:200nm〜380nm)
UVA(長波長紫外線)、UVB(中波長紫外線)、UVC(短波長紫外線)に分けられる。

・UVA(波長:315nm〜380nm)
皮膚の真皮層に作用しタンパク質を変性させる。細胞の物質交代の進行に関係しており、細胞の機能を活性化させる。 また、UV-Bによって生成されたメラニン色素を酸化させて褐色に変化させる。 (サンタン)

・UVB(波長:280nm〜315nm)
表皮層に作用するが、色素細胞がメラニンを生成し防御反応を取る。 これが日焼けである。 (サンバーン)

・UVC(波長:200nm〜280nm)
普通、オゾン層で守られているので地表には達しない。 強い殺菌能力があるので生物に対する破壊性が最も強い。 地球温暖化などでオゾン層が破壊され、地表に到達してあらゆる生物に影響が出ることが心配されている。

 地球の大気中のオゾンを透過する間にはいくらかの紫外線が取り除かれ、 UVCは大気によってほとんど完全に取り除かれる。 しかし現在オゾン層の破壊による問題が増えており、オゾン層破壊と周期的なオゾンホールの発生が、 紫外線を危険なほど透過してしまっているということが問題になっている。

○遠紫外線(波長:10nm〜200nm)
真空中でないと進行しないので、真空紫外線(VUV)とも呼ばれる。空気中で吸収されるため、地表に到達することはない。

○極端紫外線(波長:10nm以下)
遠赤外線と同じように、空気中で吸収されるため、地表に到達することはない。 太陽に活動により、11年周期で強さが大きく変化する。

X線(波長:0.01-10nm) , ガンマ線(波長:10pm程度以下)※2

紫外線よりも波長が短い電磁波で、エネルギーが非常に大きい。 放射線と呼ばれる。 X線は人工的に作り出すことができ、ガンマ線は原子核から自然に放出されるので人為的に制御できない。

[電磁波が物体に及ぼす影響]
遠赤外線〜中赤外線は吸収光線と呼ばれ、生物に吸収されやすい。 よって、生体内で結合、合成に働く。
近赤外線〜紫外線は反射光線と呼ばれ、地球上の物体(動植物を含む)に吸収されない。 よって、動植物の細胞に対して分裂に働く。
X線〜ガンマ線は透過光線と呼ばれ、動植物の細胞によく吸収される。 吸収された光線はDNAを傷つけ、奇形や癌の発生に働く。

<その他の光>

太陽光

太陽が放つ光で日光のこと。 可視光線や赤外線、紫外線などが太陽光として放たれる。 それらが地球に到達するまでの時間は、約8分17〜19秒である。 ほとんどが地上に到達するまでに大気やオゾン層に吸収されるので、日常的に触れている太陽光はほんの一部に過ぎない。 日時計や様々な発電などに用いられる。

レーザー光

一つの波長の光(単色光)である。 光の波が揃っており※3収束性がよいので狭い面積にきわめて高密度の光エネルギーを集中させることができる。 ※4誘導放出を起こす物質の種類により、気体レーザー、液体レーザー、固体レーザーに分類される。
【動画:レーザー光を見てみる】
・・・舞っているチョークの粉にレーザー光を当てると、粉に当たった光が散乱されるため光の通路が見えます。 これを、チンダル現象と呼びます。


※1 ローレンツ力・・・磁場の中を運動する荷電粒子にはたらく力。
※2 1μm(マイクロメートル)=10-6m , 1nm(ナノメートル)=10-9m , 1pm(ピコメートル)=10-12m
    [1pm=0.001nm = 0.000001μm)]
※3 収束性(しゅうそくせい)・・・おさまりがつくこと。
※4 誘導放出(ゆうどうほうしゅつ)・・・一定の相互作用または相互連関を持つ物体の集合が、 エネルギーの高い電子状態から低い状態へ移動するときに外部からの電磁波に共鳴して、 その高さに比例して光が放出される現象。