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 美濃和紙は1300年以上の歴史と伝統を誇る岐阜県の特産品です。美濃和紙は薄くて丈夫で漉きムラがないという特徴から、障子紙や記録用紙などの日常的なもの以外にも多く使われています。丹念に漉かれる1枚1枚に職人の技が吹き込まれ、繊細できめ細やかな風合いを持ち、美しく丈夫な和紙として愛されています。さらに、天然の食物繊維を織り込んだ和紙は、木材パルプやインクなどの薬品を使用した洋紙のように100年で黄ばんでしまう事はなく、何世紀もの間保存する事ができます。日本の代表的な和紙として、越前和紙・土佐和紙と共に、「日本三大和紙」と呼ばれています。

 
 
 
 
 美濃和紙は平安時代のころから評判が高く、江戸時代には最高紙として専売制度のもとに管理されるなど、朝廷や幕府から手厚い保護を受けていました。そこには、最初から最後まで一度も気を抜くことなく丹念な作業をすることによって生み出される美しさがあったのかもしれません。
 
 
 
 
 美濃市の長良川沿いにある川湊灯台。これは慶長6年(1601年)、当地の領主となった金森長近が小倉山城を築き、城下町上有知(こうずち)(現美濃市)をつくった時に物資流通のために開かれた港に建てられたものです。その高さは9メートルもあり、当時は交流の目印となっていましたが、今では全国的にも珍しい建造物として大切にされています。物資流通手段として繁栄したこの港は、1911年(明治44年)の鉄道の開通と共に廃れてしまいましたが、その名残として今も県の指定文化財として保存されているのが、この川湊灯台なのです。当時は美濃和紙も、この港から各地へ運ばれていたと言われています。
 
 
 
 
 伝統的工芸品とは、経済産業大臣が技術や技法に100年以上の歴史があり、製造過程が手工業的であると指定した工芸品の事を言います。美濃和紙は平安時代から知られていましたが、美濃手漉き和紙協同組合が設立され、昭和六〇年には国の伝統的工芸品の指定をされました。
  経済産業大臣により指定を受けた伝統的工芸品は、伝統的工芸品のシンボルマークである「伝統マーク」と「経済産業大臣指定伝統的工芸品」の文字が入った「伝統証紙」を付することができ、美濃和紙もこれを付する権利を持っています。
 
 
 
 
 和紙職人の数が減り生産量が少なくなってきた今、美濃和紙は時代の流れとともに新しい道を開いています。和紙を使った新しい製品の開発、医療現場での活用、和紙の魅力を多くの人に伝え、触れてもらう「美濃和紙あかりアート展」など、様々な現場に進出すべく改良が進められています。
 
 
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