サスペンションって何だと思いますか?もしもこれがないとどうなってしまうと思いますか?
答えは路面のちょっとした凸凹の衝撃が全部車体にきてしまうことになり悲惨なことになってしまいます。
サスペンションというのは車の足回り、すなわち衝撃の緩和装置全体を意味しています。
サスペンションは主にスプリングとショックアブソーバーというもので成り立っています…??だと思うのでここでちょっと英語の勉強です。笑
サスペンド(suspend)は吊り下げる、スプリング(spring)はばね、アブソーブ(absorb)は吸収するという意味なのですが何と無くわかってきませんか?
ばねを吊り下げて衝撃を吸収している、または吊り下げたばねで衝撃を吸収する…そんな風にイメージすることができますね。
先ほどの連想とだいたい一致します。
路面の凸凹をばねの伸縮によって緩和させるのですが、 ばねの性質として一度伸びたり縮んだりするとビヨーンとなって車体がグニャグニャ動いてしまうのでここで登場するのがショックアブソーバーです。
これによってばねの伸縮具合を制御してグニャグニャしないようにしている訳です(笑)
ちなみにメルセデスベンツでは、 15m先の路面の凸凹をスキャンすることによりサスペンションを変化させる「マジックボディコントロール」という新システムも実用化しています。
これはイメージとしてはニワトリの体を動かしても頭は動かない性質に近いですね。
実際にそのCMが流れていたので知っている人もいるかもしれません。
サスペンションは
リジッドアクスルサスペンション
インデペンデントサスペンション
トーションビーム・サスペンション
大きく分けてこの3つに分かれます。
はい、横文字登場しました(笑)
ではこれら三つの方式はどのようなものなのでしょう?
前のページで紹介したようにサスペンションの方式は大きく分けて3つに分かれています。
リジッドアクスルサスペンション(Rigid Axle Suspension)
車軸懸架とも言いますが、リジッドは固定する、アクスルは車軸という意味なので車軸を固定したサスペンションということですね。
つまり、左右のタイヤを一本の車軸で繋いでいるのです。
これに対して次に話すインディペンデントサスペンションは左右のタイヤ、車軸が独立していて上下自由に動かすことができるのでこれら2つは真逆の方式です。
簡単に言えば大きな違い、仕組みはこれだけです。
この方式は馬車の時代から使われていて昔はほとんどの車がフロントもリアもこれでした。 現在はトラックに多く使われています。
乗り心地が悪いというのは個人的に共感できる部分ありますね。
父の仕事の関係でたまにトラックに一緒に乗ったりするのですが非常にガタガタして車酔いをよくしてしまいます。笑
リジッドアクスルサスペンションは車軸と車体との連結の仕方でさらに細かく分けることができます。
ちなみに記載しておきますと、
リンクリジッド式
リーフリジッド式
ド・ディオン式
我々はサスペンションのエンジンになるわけではないのでこの辺にしておきましょう(笑)
インディペンデントサスペンション(Independent Suspension)
独立懸架とも言います。
インディペンデントは独立のという意味ですので、先ほども紹介したように左右が一本で連結されておらず、それぞれ別のサスペンションで動作する方式のことです。
リジッドアクスルサスペンションに比べてなぜこれが主流になっていったかというと操縦安定性と乗り心地で上回っているからです。
独立して上下自由に動かせるので凹凸に対して融通が効くんです。<
またばねの下の重量が軽いことにより車輪の接地性が良いです。
これが操縦安定性、乗り心地UPに繋がっているわけです。
まあしかし総合的に見ても現在はこれが主流ですね。乗用車にはだいたい使われています。スポーツカーやレーシングカーもこれですね。
インディペンデントサスペンションも構造の違いでさらに細かく分かれています...汗
ストラット式
スイングアーム式
ダブルウィッシュボーン式
マルチリンク式
その他にも…笑
こちらは簡単にそれぞれ説明しようと思います。なぜならモータースポーツファンなら何となく知っているだろうウィッシュボーン式があるからです。笑
まずストラット式ですが、ストラットとは力を受ける支柱のことでここで言う支柱はショックアブソーバーのことです。
ショックアブソーバーは車がばねでグニャグニャーっとならないように制御するものでしたのです。
そしてこれをもう懸架装置として使って手間省いちまおうめんどくせえー…という仕組みです。
一部不適切な表現があったことを深くおわび申し上げます。笑
シンプルかつコンパクトな構造で安価なので乗用車としては最もよく使われています。
次にスイングアームですが独立懸架の中では最も簡単な構造のサスペンションで、アームがAの字型かそれに近い形をしており、Aの字の頂点に車輪を、2本の足を車体に取り付ける…まあこんな感じですね。
あとは取り付け方によって例のごとく細分化されてます汗汗
続いて来ましたダブルウィッシュボーン式(拍手)
これは僕の好きなF1などほとんどのレーシングカーで前後ともこれを採用するのが定着しています。
ウィッシュボーンとは鳥の鎖骨のことでこれが2組ある形のA型アームが採用されているのでこう呼ばれています。
長所はサス(とうとう略しました)の剛性の確保がラクな事やタイヤが上下動したときにタイヤの角度(キャンバー角)の変化が少なくて済むので接地性が維持されてグリップ力の変化が少なく済むことなどです。
短所ももちろんあり、構造の複雑化により生産コストが高いのと高さを必要とするのでエンジンルーム、トランクの容積の制約がでることなどです。
そしてマルチリンク式ですがダブルウィッシュボーン式の一種で4本以上のリンクで車輪を支えています。
トーションビーム式
主にFF車のリアサスで使われます。
この図のようにトーションバー(ビーム)がねじれることによりインディペンデントサスのような動きをしますが左右が繋がっているので完全にはならず、リジッドアクスルサスとの中間的なまあ例えるなら足の生えたオタマジャクシみたいな?笑 酸性とアルカリ性の間の中性的なやつです。
長所はスペースを取らないことや部品数が削減できることにより低コストなどがあります。短所はばねの下の重量が重くなり接地性が悪くなるなどです。
トヨタのエスティマなんかはこのサスを採用しています。
エアサス…なかなかかっこいい名前ですよね(笑)僕は初めて聞いた時かっこいいと思いました。
エアサスペンション(air suspension)の略であり、空気ばねとも言います。
空気ばねと言うぐらいなので、従来のスプリング式のサスのばねの代わりに圧縮した空気の弾力性を使ったばねの装置のことです。
スプリング式のサスの欠点として人や荷物をMAXまで載せたときの重量でサスの強さを設定しているため、車重が軽いときにはサスとのバランスが合わず、硬く感じて結果として乗り心地が悪く感じて車離れが進んでいく…最後ちょっと発展し過ぎました。失礼いたしました。笑
エアサスのすごいとこはここです。この欠点を補うことができるのです。なぜなら空気なのですから。電子制御によってマイナーチェンジすることが可能になったのです。車重が軽い時にはサスも軟らかくすれば良し、重い時はサスも硬くしてくれるのです。 これは快適な乗り心地を追求したエンジニアたちの努力の結晶でしょう。現在バスに多く使用されています。僕はどちらかと言えば酔いやすい方なので個人的にはエアサスが普及することが嬉しいです。
また、エアサスは車高調整することができるのでバリアフリー化を進めているバスではノンステップバスなど停車高のものが増えています。