でもこれ、正式名称は「アイサイト」ではなく、「プリクラッシュセーフティシステム」といいます。
アイサイトはスバルが付けた独自の名称なのです。
ではプリクラッシュセーフティシステムはどのような仕組みになっているのでしょうか?
プリクラッシュセーフティシステムはそれぞれのメーカーが独自のシステムを使っているため、様々な仕組みがあります。
ここでは、最近CMで話題になっているスバルのプリクラッシュセーフティシステム「アイサイト」の仕組みについて説明します。
アイサイトには外の景色を把握するための「目」とも言うべきカメラが2台搭載されています。
ここで、「ん?外を見るためなら1台で十分じゃない?」と思うかもしれません。
確かに外を見るためなら1台で十分です。
しかし、対象物との距離を測るには2台のカメラが必要になります。
これは人間の目の仕組みと同じです。
では、画面の前で簡単に出来る指遊びで2つの目で距離を測る原理を体感してみましょう!
①まず、両手の人差し指を見ながらの先端同士をくっつけてみてください。
②くっついたと思います。
③では、次に片目を隠した状態で同じことを行ってください
出来たでしょうか?
おそらく両面の時ほど上手くくっつかなかったと思います。
これは人間の脳が左右の目で見たそれぞれの画像を比較して人差し指までの奥行を測っていたからです。
人間の左右の目は同じ場所に付いていないので、左右の目で見た映像にはズレが生じます。
脳はそのズレを総合的に判断して奥行を測っています。
つまり片目の場合は映像が1つしかないため、奥行を正確に測れず上手くくっつかなかったのです。
アイサイトはこの目の仕組みを応用したシステムを使用して前にある障害物までの距離を測っているため、カメラが2台搭載されているのです。
自分達の体の仕組みまで使っているなんて、車ってほんとあらゆる仕組みの結晶ですよね!
埼玉県のマツダの試乗会場でプリクラッシュセーフティシステムを搭載した自動車が試乗中にフェンスにぶつかり、助手席に乗車していた従業員が重症を負ってしまったのです。
我々はこの事故を受けて100%なんて有り得ないと改めて感じました。
この事故の原因が機械の誤作動であれ、運転ミスであれ、事故が起こってしまったことは不動の事実なのです。
今後プリクラッシュセーフティシステムを上回る便利なシステムが次々に開発されると思います。
でもドライバーは、これが運転支援システムだということ忘れずに運転しなければならないと思います。