食物連鎖
このページ目次
○食物連鎖
○両生類と食物連鎖
○両生類と食物連鎖(外来種)
○両生類と食物連鎖(カエルツボカビ病)
食物連鎖

食物連鎖って知ってる?

詳しくはわからないけど、「食べる・食べられる」の関係だということはわかります。

そうだよ、環ちゃん。
人間も、僕たち動物はみんな食べ物を食べないと生きていけないよね。

はい。

だけど、動物は食べられるものだけとか、食べるものだけとかではないよね。

うんうん。
…例えが出てこない…。

つまり、鶏は穀物を食べて、その鶏を人間が食べているということだよ。

あーあ!
納得、納得!

そのような関係が連鎖的に起こることを「食物連鎖」というんだよ。
大事な言葉だから、おぼえておいてね。

なら、食物連鎖の具体的な仕組みはどんな感じなのですか?

したの図をよく見てね。

この図は生態ピラミッドというんだ。
えさを必要としない植物をはじめに見ていくよ。
餌の代わりに光合成によって自分で有機物を生産しているから、自然界の生産者と呼ばれるんだ。
動物たちは生産者のつくった有機物を直接または間接的に食べて生きているから、自然界の消費者と呼ばれるよ。

この植物や動物たちのことを、一般的にはなんていうの?

植物は生産者。
生産者のつくった有機物を直接または間接に食べる動物を消費者というよ。
実は、もう一つの役割を果たしているものがあるんだ。

何々?

分解者と呼ばれるものさ。

分解者って何?

消費者の排泄物や死体などを分解している、土の中の小さな生き物や微生物(ミミズや、バクテリアなど)のことだよ。
分解したものを植物が栄養素として吸い上げているんだ。
本当は、この生態ピラミッドの最底辺にいるんだ。
見るとわかるように、虫や、植物などの食べられる側(生産者・消費者)のほうが数が多く、食べる側(高次消費者)のほうが、だんだん少なくなっているよね。

ほんとだー。
でも、食べ物がなくなってしまうことはないの?

食物連鎖でいう生産者の前に「分解者」がいるから食べ物はなくならないよ。
分解者がいることで、食物の安定した土台ができて、バランスが取れるようになるよ。

分解者も大切な役割をはたしているんだね!
でも、生産者・消費者・分解者の個体数のつりあいが壊れてしまったら、もう元にはもどらないの?

そんなことはないよ!
でも、戻るのには、長い月日が必要で、すぐには戻らないんだ。
あまりにおおきな環境破壊だった場合や、人間によって新しい種類の動物が持ち込まれたとき、ある種類の動物だけを大量に殺してしまった時には、もとに戻らないこともあるんだ。

人間だけの勝手な都合で環境を破壊してはいけないんだね。
両生類と食物連鎖

実はな…両生類は深刻な問題に悩まされているんだ。

なんですか?

両生類は20世紀後半から、世界的に少なくなっていて、沢山の種類が絶滅に追いやられているんだ。

!?!?
本当ですか!?

ああ。
カエルツボカビ病などの感染症にかかってしまい、皮膚呼吸できなくなって死んでしまうんだ。
他にも、両生類特有の粘膜におおわれた皮膚が環境の変化に耐えられなくて死んでしまったりもするんだぞ。
他にも、外来種が放たれたりして、どんどん減っているんだ。

そ…そんな…。
かえる先生の仲間が…。

さらに、このままでいくと100年後には全ての両生類が死に至ってしまうと考えられているんだ。
そうすると、食物連鎖に影響が出てしまうんだよ。

しょ…食物連鎖に影響って…。
どういうことですか?

食物連鎖は、食べる・食べられるの関係だってことは知っているだろう?

はいっ。
猫先生から聞きました。
生態ピラミッドについても。

なら、話は速いな。
両生類は、ピラミッドの中の下の層にいる動物だ。
両生類が全ていなくなってしまったら…。

三角形の中の下がごっそり無くなっちゃう!!

そうなんだ。
そうすると、両生類を食べていた動物は…。

いなくなっちゃう!!
…でも、人間は両生類をほとんど食べてないし、別にいなくても変わりない気がしますよ?

そんなことないぞ!!
両生類を食べる動物には死活問題なんだ。
両生類という食べ物が無くなった動物は…死に絶えてしまい、
その動物を食べていた動物も死んでしまったら…。

ほとんどの動物が死んじゃう…。

中の下の動物でも関係ないと無視せず、きちんと気にかけて悪循環を止めようとしなくてはいけないんだ。
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★外来種が…

さっき、外来種が放たれることが両生類絶滅の原因と言われた気が…。

そうだ。
外来種が放たれることで元から生きていた両生類が絶滅してしまうんだ。

仲良くすればいいのに。

それが出来れば苦労しないよ。
出来ないから困っているんだ。

何でですか?

日本で考えてみよう。
日本は島国だよな。
島国はな、その中だけで独特の生態系を築いているんだ。
で、そこに他の大陸から来た外来種をいれると…。

…仲良く共存?

たまに、そうする外来種もいるがな。
実際は、元々その土地にいた動物を捕食したり、殺してしまったりするんだ。

えええええ?
元々その土地にいる動物も反抗しなくちゃだめじゃないですか!

それが出来ればいいんだけどな…。
島国で、決められた敵にしか襲われない動物と、大陸で色々な敵に襲われながら生きている動物のどっちが強いと聞かれたら…。

後者ですね。
圧倒的に。

弱い者は、格好の餌になるからな。
やられてしまうんだ。

まさに弱肉強食ですね。

実は、これは両生類だけに限らず、動物全体に言える事なんだ。

大変ですね…。
…ちょっといいですか?

なんだい?

外来種はどうやって違う土地に来るんですか?
鳥なら想像つくけど、両生類なんて、海渡れないですよね?

それは、人間が深くかかわっているんだ。

私!?
なにか悪いことしました!?

環君はそんなことしないだろう?

そんなことって、どんなこと?

動物を外に捨てる事さ。

そんなことしません!
一生面倒見ますよ!
大切なお友達ですもん!

みんながみんな環君みたいだったらよかったんだけどな…。

?

よく「珍しいから外来種を飼いました。
…だけど、大きくなって育てられなくて外に放ちました。」
っていうひとがいるんだ!

無責任な!

それが、元々いた動物を襲っている原因とも知らずにな!
そこから、生態系が崩れていくのをもっと知ってほしい。
生き物を飼っている自覚が、そういう人には足りないんだ。

珍しいからって飼って、無責任に放つのは、いけないことだとわかりました。
かえる先生がそこまで怒るなんて、それだけ大変な問題なんですね。
私は、絶対最後まで責任持って育てます!
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★カエルツボカビ病

カエルツボカビ病の恐ろしさ・対処法について紹介しておこう。
環君、もし私がこの病気にかかった時のために知っといてほしい。

…うん。

カエルツボカビ病とは両生類にだけかかるカビが原因なんだ。

…そんな…。

私たちが感染すると、皮膚が最大40倍まで膨れ上がってしまうんだ。
そうすると、皮膚呼吸ができなくなって死んでしまうんだ。
そして、残念ながら致死率は90%もあるから、間違いなく生きていけないんだ。

もし…感染しちゃったらどうすればいいのですか?

水槽の水を捨てないで獣医さんに相談に行ってほしい。
飼育ケースも焼却か消毒してほしいんだ。
あと、死んでしまったら焼却処分をしてほしい。
土に埋めてしまうと野外に感染してしまうからな。

かわいそうだけど両生類全体の為だもんね。
そうするよ…。

こんなことばっかり言われているけど、悲しむニュースだけじゃないんだ!

?

研究の結果、日本の両生類の多くはこの病気に対して高い抵抗力を持っているそうなんだ!

本当!?

日本の固有種のオオサンショウウオは耐性を持っていたそうだ。
また、この病気の治療ができたという報告もあるみたいなんだ!

そうなんだ!

ああ。

かえる先生は田んぼからとってきたカエルだから、耐性を持ってるかも!
でも、安心はできないね。
今からでもかえる先生の水槽を消毒するよ!
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