表皮効果
表皮効果とは、電気を導きやすい物質(導体)に交流を流した場合、『 周波数が高くなると流れる電流は物体の表面付近に多く流れて、
物体内部にながれる電流の量(電流密度)が低下する効果 』
のことです。
それでは、表皮効果の原理について詳しく説明します。
まず導体に電流が流れると磁界が生じます。
電流が交流だと時間と共に 変動する磁界が生じますが、これは導線の中にも存在します。
そして、この磁界は導線の中に起電力を生じますが、
この起電力は電流の変化を妨げる方向に生じます。
(これは電磁誘導と同じ考え方です)
これはつまり、
電流によって発生した磁界の影響で電流自身が流れにくくなる
ということです。
導体の表面に発生した磁束は導体の内部に発生した磁束との交差が一番少ないので、
電流が妨げられにくく、一番流れやすい場所なので表面に多く電流が流れるというわけです。
ウィリアム・トムソン (1824~1907)
1887年に、表皮効果について説明したウィリアム・トムソン(ケルヴィン男爵)はイギリスの物理学者です。
絶対温度の導入や、熱力学第二法則の発見などの業績があります。
これらのほかにも、電磁気学などで600を超える量の論文を発表しています。
また、電磁誘導や磁気力を説明するためにベクトルを最初に用いたのもトムソンです。
【参考サイト】
表皮効果_MWAVE_LABORATORY
http://www.tele.soumu.go.jp/kids/time2/time2.htm
Wikipedia(人物の肖像画や情報)
http://ja.wikipedia.org/wiki/ウィリアム・トムソン