私たちは以下の3つの実験を行った。
植物を蝕む酸性雨の実験
1. 目的
酸性雨の植物に対する影響を調べる
2. 実験準備
・二十日大根の種
・水
・硫酸(pH=4・pH=2)
・土
3. 実験方法
二十日大根の種を3つのプランターに植え、
それぞれ水・pH=4の硫酸・pH=2の硫酸を使って育てた。
結果が分かる程度に成長した時点で実験をやめた。
4. 結果
実験開始より4日目
3つのプランターで発芽が確認できた。
8日目
丈の高さに差がはっきりと現れ始める
14日目
硫酸を使って育てたプランターの二十日大根は
細く低いものとなった。
またpH=2の硫酸のプランターの土は白っぽくなっていた。
十分な結果がとれたので、実験を終了した。
下の写真は左から水、pH=4の硫酸、pH=2の硫酸で育てたプランターである。
水で育てたプランター
pH=4の硫酸で育てたプランター
pH=2の硫酸で育てたプランター
5. 考察
酸性雨は植物の発芽率を下げ、成長を妨げることが分かった。
これは、硫酸が植物を構成する成分に
悪影響を及ぼしているからだと考えられる。
土の白い物質は硫酸の固体だと思われる。
6. 感想
いい結果が出てよかったと思う。
これなら酸性雨の植物に対する悪影響が見て分かると思うので、
ぜひ多くの人に見てもらいたい。(びるどん)
鉄くぎを蝕む酸性雨の実験
1. 目的
酸性雨の酸の強さを視覚的に確認する
2. 実験準備
・試験管2本
・硫酸(pH4・pH2)
・鉄くぎ
3. 実験方法
2本の試験管に鉄くぎを1本ずつ入れ、
それぞれにpH4、pH2の硫酸を加えて様子を観察した。
4. 結果
実験開始から2時間後
両方の試験管の鉄くぎから気泡が発生したのが確認できた。
pH2の硫酸の試験管ではより大きな気泡が発生した。
また、数日後に確認すると、
pH2の硫酸の試験管の鉄くぎは赤く錆びていた。
5. 考察
pH2の硫酸は十分に鉄を溶かす。
pH4の硫酸も時間はかかったが、鉄を溶かした。
鉄くぎが赤く錆びたのは、硫酸の酸化作用によるものだと思われる。
6. 感想
明確に酸が金属に与える影響が理解できた。
建物に多く使われている金属がいとも簡単に溶けていくのを目の当たりにして、
酸性雨の怖さを再確認できた。(鉄種)
卵の殻を蝕む酸性雨の実験
1. 目的
酸性雨の炭酸カルシウムに対する影響を調べる
2. 実験準備
・無精卵
・硫酸(pH4・pH2)
・市販されているお酢
3. 実験方法
ビーカーに硫酸(pH4)、硫酸(pH2)、市販されているお酢を200ml入れ、それぞれに卵を漬けた。
1日に1回試薬を交換し、毎日8時、15時に観察した。
4. 結果
実験開始からすぐに全てのビーカーにおいて反応が見られた。
7時間後、反応はしていたが、硫酸(pH4・pH2)では大きな変化は見られなかった。
お酢の卵は液面に泡が発生し、浮かんで液面から少し出ていた。
48時間後、硫酸(pH2)は卵の表面に付着していた泡の数が増えていたが、硫酸(pH4)ではなくなっていた。
お酢につけた卵は触ると既に少し柔らかくなっていた。
55時間後、お酢の卵は、殻が一部なくなって、少し中身が見え始めた。
72時間後、お酢の卵の殻はほとんどなくなって、手に取るととても柔らかくなっていた。
79時間後、硫酸(pH2)の卵は殻の表面からクチクラという薄い皮が剥がれ始め、浮かんでいるのを確認できた。
お酢の卵は泡も発生せず、反応が止まったと見なした。
硫酸(pH2)では数日間毎日クチクラが剥がれているのが確認され、
552時間後(23日後)、反応が止まっているのが確認された。
5. 考察
■硫酸との反応式
CaCO3(炭酸カルシウム) + H2SO4(硫酸) → CaSO4(硫酸カルシウム) + CO2(二酸化炭素) + H2O(水)
卵の周りについていた泡は二酸化炭素と考えられる。
また、殻が溶けず、すぐに反応が止まったのは、卵の表面を硫酸カルシウムが覆い、
卵の殻と硫酸の接触を妨げられたからだと考えられる。
■お酢との反応式
CaCO3(炭酸カルシウム) + 2CH3COOH(酢酸) → (CH3COOH)2Ca(酢酸カルシウム) + CO2(二酸化炭素) + H2O(水)
液面上に浮かんでいた泡は酢酸カルシウムであると推測でき、
卵の周りについていた泡は二酸化炭素であると考えられる。
6. 感想
お酢より強くて危険だと思っていた硫酸の反応がすぐに止まったことに驚いた。
そして、お酢の反応が驚くくらい早かった。
お酢が降ってきたら大惨事だな、と思った。(ska)