定義3.2の関数gに対して, 関数 hが存在して, z ∈ Z≥0に対してg(z) = h(z+s)であって,
i = 0,1,2,...,h(s) に対して i ⊕ s = i + s, |
かつCB(h,y,z)のGrundy数がGh({y,z})= (y ⊕ z)となることを示す.
証明. 最初に, i = 0,1,2,...,g(0)に対して
Gg({i,0})=i (99) |
であることを数学的帰納法を用いて証明を行う. Grundy数の定義より, Gg({0,0})=0. k = 0,1,2,...i−1に対してGg({k,0})=kかつ i ≤ g(0)であると仮定する. Grundy数の定義より, Gg({i,0})=mex({Gg({k,0}):k=0,1,2,...,i−1} =mex({0,1,2,...,i−1})=i. 定義 3.2の条件より, Gg({i,0})= (i ⊕ s)−sとなり,したがって等式(99)により ( i ⊕ s)−s = iが示される.
証明.
Case (1) g−sの定義により, z ≤ sに対してg−s(z)=g(0)となり,したがって関数g−sはz ≤ sに対して定数値関数であるから,定義2.1の条件を満たす. これゆえ
y ≤ g−s(z)かつz ≤ sとなるy,z ∈ Z≥ 0に対してGg−s({y,z})= y ⊕ zとなる.
Case (2) 次にy ≤ g−s(z+s)に対してGg−s({y,z+s})= y ⊕ (z+s)となることを証明する. 数学的帰納法で証明を行い,
v ≤ y, w< z+sもしくはv < y, w ≤ z+sとなるv,w ∈ Z≥ 0においてGg−s({v,w})= v ⊕ wであると仮定する. 補題
3.6からi=0,1,2,...,g(0)に対して,i ⊕ s = i + sとなり,
p=g(0),j = min(y,g(0))と考えて補題3.2を使うと, 次の関係(
100)を得る.
|
定義 3.2より,
式101において,mexの中に入っている集合について考えていく.
|
したがって
|
帰納法の仮定により,
|
|
0 ≤ w < sに対してg−s(w)=g(0)であるので, 関係(100)により{ min(y,g−s(w)) ⊕ w:w < s} = { min(y,g(0)) ⊕ w:w < s}={0,1,2,...,s−1}は示される. 今から補題 3.3を使うにあたって,この補題におけるxに対応するものとして y ⊕ (z+s),{xk, k = 1,2,...,n}に対応するものとして, { v ⊕ (z+s):v<y} ∪ { min(y,g−s(w)) ⊕ w :s ≤ w < z+s}とすると,等式(101), (102)の不等式, (103)の不等式, 等式(104) によって補題3.3を使うことができ, Gg−s({y,z+s})=y ⊕ (z+s)は示される.
定理3.1及び定理3.2により以下の命題(i)及び(ii)はそれぞれ証明される.
(
i) hをチョコレートCB(h,y,z)のGrundy数がGh({y,z}) = y ⊕ zとなる関数とする.このときsが条件(97)を満たし, hs(z)=h(z+s)となる場合においてチョコレートCB(hs,y,z)のGrundy数Ghs({y,z}) = (y ⊕ (z+s))−sとなる.
(
ii) gをチョコレートCB(g,y,z)のGrundy数がGg({y,z}) = (y ⊕ (z+s))−sとなる関数とする. このときg−s(z)=h(z−s)とおくと,チョコレートCB(g−s,y,z)のGrundy数がGg−s({y,z}) = y ⊕ zとなる. ここでg=(g−s)sである.
故に, チョコレートCB(h,y,z)のGrundy数がGhs({y,z}) = (y ⊕ (z+s))−sとなる必要十分条件を得た.
次に関数h(z)=⌊ z/2k⌋における条件の例を示す. この様に, この関数において条件は非常に単純である.
m = 0, 1, 2,...,2k−1 となる m,v ∈ Z≥ 0 に対して s = m2v (105) |
証明. 補題2.1より, 関数hは定義2.1の条件を満たす. 補題 3.1より,
i = 0,1,...,h(s) に対して i ⊕ s = i+s |
がなりたつための必要十分条件は
s=u × 2v かつ h(s) = ⌊ |
|
⌋ < 2v |
となるu ∈ Z≥ 0が存在することであり, それは条件( 105)が正しいための必要十分条件である. したがって定理 3.1よりこの系の証明を終える.
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D.Zeilberger, Three-Rowed CHOMP, Adv. Applied Math Vol. 26 (2001), pp. 168-179.
M. H. Albert, R. J. Nowakowski and D. Wolfe, Lessons In Play, A K Peters, p-139.
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