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• Q１おもてなしで一番印象に残っているエピソードは？？

  来演されたあるご家族とのエピソード
  お婆さまがどこかで忘れ物をし、ご家族がそれを捜索している間、ひとりぼっちになって心細くしていたお婆さまのそばで、少しでも安心してもらおうとずっとお話をしてあげました。
  自分の忘れ物のせいで大切な家族の時間を台無しにしてしまった事への責任を感じていたお婆さまを、どうにか励ましながら、五分くらい経って、ご家族の一人が忘れ物を見つけお戻りになり、お婆さまもようやく笑顔になりました。
  別れ際にとてもていねいにお礼を仰ってくださいましたが、後日、お婆さまから会社の私宛に直接お礼のお手紙が届きました。不安でパニックになっていた自分を一生懸命に慰めてくれた事や、おかげで家族を信じる事を再確認できた事や、その後の時間はご家族と特別に幸せな時間が過ごせた事などが綴られていて、それを読んで私もうれしく、これ以上無い幸せを感じました。

• Q２おもてなしの失敗エピソードは？？

  慣れと馴れの違い
  はじめは慎重に行っていたオペレーションも、馴れてくると油断してしまうもの。
  言葉遣いや安全性の確認、最新の情報に注意を払いつつ、各個人の責任で行うショー（お客様に対するおもてなし全般をこう呼んでいました）で、自分本位の『馴れ』がでてしまった事によって、結果的に不快な思いをさせてしまうバットショー（と呼んでいます）をしてしまった事が何度もありました。
  （子供に泣かれた、写真のピントがぶれた、必要以上に待たせてしまった、ミス・インフォメーションとか）

   

• Q３おもてなしを行うときに気をつけている事は？？

  ボディランゲージでほぼ決まる
  言葉遣いや話し方も大切だけど、相手に与える影響はボディーランゲージが多くを占めています。

  • 距離感（少しずつでも縮められたらいいけど、基本は相手に会わせる）
  • はじめの第一歩（相手からも返ってくるような「あいさつ」から）
  • 立ち位置（真正面に立つと威圧的、お互いの身体を八の字にして正面を開放してあげる）
  • 話の聞き方（腕を組んだりしない）
  • 相手の前に腕を出さない（方向を指し示すときは、相手に対して外側の腕を使う。）
  • 相手の物を借りる（地図など）ときはきちんとお願いする
  • 笑顔
  • 視線

• Q４おもてなしを行うときに一番難しい事は？？

  • 距離感
  • 言語（外国の方から場所を聞かれたときは、途中まで一緒に行ってあげた方が簡単）
  • 場所の教え方（的確に、正確に、覚えやすい特徴を織り交ぜつつ、簡潔に）
  • 自分の態度（攻撃的にも受け身的すぎにもならずに、おもてなしである以上、中立の立場で）

• Q５おもてなしを必要とするタイミングを見極める方法は？？

  • カメラを手にしてキョロキョロ（→よろしければお撮りしましょうか？）
  • マップを手にしてキョロキョロ（→どこか（何か）お探しですか？）
  • 子供一人でウロウロ（→誰か探しているのかな？）
  • やけに目が合う（→何かお困りですか？）

   

• Q６あなたが考えるおもてなしとは？？

  ・おもてなし≠サービス、おもてなし≠奉仕
  遣り過ぎない。相手が一人でできる事・やりたい事は、させてあげる（束縛せず、意思を尊重）

  ・あくまで“さりげなく”
  目の前の人に何か特別な事を提供するのではなく、普段の私達が十分できる“ちょっとした心遣い”を“さりげなく”差し上げる気持ちを持って、“温かく”接する事大切。
  結果的に、相手が嬉しいと思ってもらえばそれで十分だし、そう思ってもらえた事で私達も嬉しいと思える。おもてなしのために過度にサービスし過ぎたり、結果を求め過ぎてはいけない。大事なのは「相手の立場に立って私には今何ができるか？」

  • おもてなしとは「きっかけづくり」

  相手が困っていたり助けてほしがっていたり、そんなときは進んで声をかけてあげる。
  相手がしたいと思っている事をきちんと聞いて、それが実現するように手助けしてあげる。
  相手が嬉しそうにしていたら、その気持ちを大事にしてあげる。
  すべては、相手に「よかった、嬉しい、安心して過ごせる」と思ってもらえればOK
  それには、ちょっとした「きっかけ」を与えてあげるだけで十分

  • 一番大切なのは「安心・安全」

  自分自身の危機、身の回りの危機、見知らぬ土地での行動、異言語での意志の疎通の難しさといった、相手の「目に見えぬ漠然とした不安」を取り除けるのは、人と人との触れ合い、無償の優しさだと思います。この土地で、安心して、安全に暮らしていけると感じてくれれば、その土地を当然好きになるでしょうし、また来たいと思ってくれる。