| 「先生!そもそもプラスチックってどんな物質なんですか?」 |
「確かに。僕も知らないや」 |
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| 「チッくんも知らないの!?」 |
| 「プラスチックがどんな物質なのか教える前にあらゆる物質の構成を説明しよう」 |
| 「簡単にお願いしま〜す」 |
| 「うぅ… 痛いとこついてくるな」 |
「チッくん、余計なこと言わないの! 先生説明お願いします」 |
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| 「お、おう。 僕たちの身の回りにあるものは全部『原子』と呼ばれてるものからできているんだ。 そう、僕たちの体もね。」 |
| 「自然のものや人工的に作られたものも?」 |
| 「人工的に作られたものは違うでしょ」 |
| 「いいや、サエさんが言ったようにどちらもだよ」 |
「そうだったのか…」 |
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| 「原子同士が結びついたものをなんて言うか知ってるかい?」 |
| 「私知ってる〜、『分子』だよね?」 |
| 「サエさんよく知ってるね。正解!」 |
| 「分子くらい僕も知ってるよ!」 |
「それじゃ『高分子』って知ってるかな?」 |
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| 「わからないな」 |
| 「僕も…」 |
| 「物質によっては極めて大きい分子からできる物質があるんだ。 例えば、砂糖とかデンプンとかがあるんだけど、 それらの分子のことを『高分子』って言うんだよ」 |
「プラスチックも高分子ですか?」 |
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| 「そうだよ」 |
| 「先生に聞いてるんだけど…」 |
| 「サエさん、その通りですよ。 プラスチックは簡単な分子を人工的に繰り返してつなげられてるから『合成高分子』って言うんだよ。 下の図はエチレンとポリエチレンの分子の構造を表しています。」 |
| 「せんせ〜、ポリマーについて教えてもらえませんか?」 |
「もちろん! さっき説明した高分子のうちで、エチレンのように簡単な分子が繰り返し結合したもののことを言うんだ」 |
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| 「じゃあモノマーってなんですか?」 |
| 「それじゃ、図を用いて説明しよう。 あとついでに『重合』についても教えてあげよう」 |
| 「電車1車両がモノマーと考えてみよう。 車両が連結した長い電車がポリマーになるね」 |
| 「それじゃ先生、重合って、なんですか?」 |
「重合は電車の車両1つ1つが連結することで、連結数は重合度を表しているんだ」 |
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| 「重合の意味と重合度ってなんですか?」 |
| 「重合はモノマーをつなげてポリマーにする化学変化のことだよ。 今の図では車両1つ1つがつながって1つの電車になることで表されているね。 また、ポリマーのことを重合体とも言うんだ。 モノマーの繰り返し数のことを重合度って言うんだよ。 重合度の大きいポリマーのことを高重合体とも言います」 |
| 「チッくん寝てない?」 |
| 「べ、別に… ね、寝てないし…」 |
| 「プラスチックにはいろんな種類があって性質が違うのはなんでだろう」 |
「せっかくだから先生に聞いてみよっ!」 |
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| 「先生、どうしてなんですか?」 |
| 「モノマーと重合度については大体理解できたかな?」 |
| 「もちろんだよ!先生、あまり僕たちを舐めないでください!!」 |
| 「ごめん、ごめんそれが理解できてれば簡単だよ。 プラスチックの構造を第一に決めるのはモノマーの化学構造で、同じモノマーからできたプラスチックでも、高分子の重合度やモノマー同士の結びつき方などの多くの要因によって性質は大きく変わるんだ。 だから、いろんな要因を組み合わせることでいろんな性質をもつプラスチックを作ることができるんだ」 |
| 「先生、身近なところにあるプラスチックはいろんな種類があるけど、どんなプラスチックがどんな品物になっているの?」 |
「それは僕が表にまとめてみたからそれを見ればすぐにわかるよ!」 |
| 「ありがとう!!やるときはやるのね」 |
| 「も、もちろんだよ」 |
| 「あらら、先生の出番がとられちゃったな。 それじゃ先生からはプラスチックの識別マークについての表を見せよう」 |
| 「ありがとうございます」 |
「このマークは『資源有効利用促進法』に基づいて表されているんだよ」 |
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| 「見たことあるようでないマークがあるね」 |
| 「普段よく見るのは一番左のマークじゃないかな? これはポリエチレンテレフタラート、つまりペットボトルでよく見かけているね」 |
| 「このマークって『SPIコード』って言うんだよね?」 |
| 「そうだよ。アメリカの『プラスチック産業協会』が廃棄プラスチックの分別や収集促進のために制定したものなんだ」 |
| 「それを日本でも採用したんですね」 |
| 「けど私たちが商品を購入する際、その品質を識別することが簡単じゃない気がするんですけどどうなんですか?」 |
| 「そうだね、品質を識別する必要性の高い商品については、品質表示を行うことが『家庭用品品質表示法』によって義務づけられているんだよ。ちなみに下のような感じだよ」 |
| 「さすが先生ですね」 |