原始大気

 

地球誕生直後の大気は原始大気と呼ばれ、現在とはずいぶんと違った特徴を持っていた。

[現在の大気の様子]

%91%E5%8BC%82%CC%8B%E6%95%AA原始大気の主成分は微惑星から放出された二酸化炭素で、全成分中の約96%も占めたと考えられている。原始大気には他にも窒素やなどが含まれていたが、現在の大気にある酸素は存在しなかった。また大気の厚さは現在の70倍もあり、圧力、温度ともにとても高かった。40万年前の時点で、二酸化炭素の量はなんと現在の20万倍もあったと推測されている。現在の大気の成分は、約78%が窒素、21%が酸素、そしてわずか0.03%が二酸化炭素であるから、いかに原始大気が現在の大気と異なっていたかがわかるだろう。

 

この大量にあった二酸化炭素は一体どこに消えてしまったのか。そして酸素はいつ、どのようにして大気中に現れたのか。

%93%F1%8E_%89%BB%92Y%91f%82%C6%8E_%91f%82%CC%91%E5%8BC%92%86%94Z%93x%82%CC%90%84%88%DA実は大気中の二酸化炭素は消えたわけではなく、形を変えて今も残っている。二酸化炭素は水にとても溶けやすいため、大気中からへと溶け込んでいった。海の中には地中に含まれるカルシウム(Ca)も流れ込んでいた。この2つの物質を、サンゴに住みつくイソギンチャクが、イソギンチャクの外骨格として石灰岩(CaCO3)に固定していったのである。この作業の繰り返しによって、大気中から二酸化炭素は徐々に減っていった。

地球に酸素が誕生したのは今から約35億年前であるといわれている。始めて酸素をもたらしたのは、海中に住むラン藻植物生物である。ラン藻植物は光合成によって酸素を作り、海の中へ放出した。ラン藻はストロマトライトとよばれる堆積岩を形成していくが、このストロマトライトは約20億年前の海で大繁栄をした。そして海の中はラン藻が放出した酸素でいっぱいになった。放出された大量の酸素は、当時の海水に多量に含まれていた鉄イオンと結びつき、酸化鉄(鉄さび)になった。そしてそれらは海底にたまり、鉄鋼石をつくった。しかし鉄イオンには限りがあった。そしてやがて海中の鉄イオンが足りなくなると、あまった酸素は海の中で飽和状態となり、大気中に放出されていったのである。

そして約4億年前、生物の進化において重大なできごとが起こった。大気中の酸素が紫外線による反応でオゾン層を形成したのである。オゾン層は、太陽から降り注いでくる紫外線を吸収してくれるはたらきを持っている。そのため生物は地上でも暮らせるようになった。紫外線は、生命が子孫を残すために欠かせない遺伝物質DNAを破壊してしまうのである。

こうして長い年月をかけてようやく現在のような大気ができたのである。


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