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小惑星衝突説

 

6500万年前に起きた恐竜の大絶滅に対する最も有力な説。巨大な隕石の衝突により恐竜が絶滅してしまったという説だ。1980年、カリフォルニア大学のアルヴェスらによって発表された。

この説を支える強力な証拠は、恐竜が絶滅した6500万年前の地層から各地で発見されたイリジウムという物質である。イリジウムは地球外起源物質、つまり地球ではできない物質であるため、極めてまれな金属である。非常に固く、もろい銀白色の金属元素で、密度は全元素中で最大である。よって地球が形成されたとき、構成物質となった隕石に含まれていた分はすべて地球のとなってしまったはずである。それが世界各地の同じ年代の地層から発見されたということは、この時代に隕石が地球に落下したことにほぼ間違いない。落下したとされる隕石の直径は10km、重さ1兆トン以上、その時の衝撃は核兵器数千個分であったと推測される。

小惑星衝突説によると、恐竜の絶滅は決して瞬間的なものではなかった。少なくとも300万年はかかっただろうといわれている。もちろん隕石の落下地点やその付近にいた恐竜たちは瞬間的に死んだだろう。が、ほとんどの恐竜は餓死、あるいは凍え死んだと考えられている。

まず、衝突のショックで、クレーターやその周辺の岩石は粉々になり、大量の砂塵となった。そして衝突によって生じた熱エネルギーによって上昇気流が生じ、その砂塵を吹き上げた。吹き上がった砂塵は上空数十kmのところで地球を覆い、太陽光を遮った。それにより地球の温度は低下し、変温動物であった恐竜は寒さに耐えきれず滅んでいったとされている。また植物は光合成をすることができなくなり、食物連鎖は底辺から崩れていった。そしてその頂点にいた恐竜は食べるものがなくなり餓死していった。さらに大規模な火災があったことも明らかになった。この火災は酸素不足によって有害な一酸化炭素を発生したともいわれている。

小惑星衝突説意外の説としては種の絶滅(進化しすぎて環境に適応できなくなった)、有毒植物(植物が自分の身を守るために毒を持つようになった)、ほ乳類の出現(恐竜の卵を食べ尽くしてしまった)などがあるが、いずれも化学的証拠が発見されていない。


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