介護分野への応用
近年では政府が政策資源を集中していく戦略分野として強化を図っているものの中で「健康・医療・介護」が筆頭に挙げられています。具体的な内容としてIoT等の科学的介護の導入による『自立支援の促進』がある。
そしてそれらが記載されている資料が「未来投資戦略2017」(資料1)である。
(資料1 未来投資戦略2017より一部抜粋)
第2 1.(2)技術革新を最大限活用し、個人・患者本位ので最適な健康管理と診療、自立支援に軸足を置いた介護。データ利活用基盤を構築。AIやロボットを組み合わせて現場の生産性を向上し、質が高く、効率的な健康・医療・介護サービスの提供を可能とするモデルの構築。 Ⅰ)①ウェアラブル端末などのIot機器を用いた日々の健康情報の収集による効果的な生活習慣病予防サービスの確立。 ③AI開発のためのクラウド環境の整備・認識の仕組みを構築。 ⑤現段階における介護現場でのロボットー、センサーの活用や今後のロボットーの開発は自立支援等による利用者の生活の維持・向上と介護者の負担軽減に資するものであり、両方の実現を目指す。AIを活用したケアプランの作成支援。 |
"センサーをネットでつなぐ「IoT」で、効率のいい介護ができるようになる"
◯家電
- iOS/Androidアプリ 見守りコンセントWiFi-Plug
1人暮らしの高齢者宅の不自然な電気使用パターン(長時間ON/OFF)を検知してプッシュ通知とメールでお知らせします。TVやシャワートイレ、スタンドライト、ポットなどいろんな家電でご利用できます。経年劣化した家電など、異常電力を検知したとき内蔵ヒューズが電気を遮断します。また、大電力(1200w/h)を連続使用した場合、メールでお知らせし、アプリで家電を遠隔OFFすることもできます。一人暮らしの老人を電気事故から守ります。 - Nestle "Iot×コーヒーマシン 高齢者の見守りに活用"
コーヒーを飲むとLINEを通じてスタンプが自動送信され、離れた家族が状況を知ることができます。また、専用のタブレットから音声操作で簡単にメッセージのやり取りができるのでスマホ操作が苦手な高齢者でも利用しやすく、家族のコミュニケーション機会が増えます。 - ホームネットワーク システム
玄関にカメラを設置することで両親が玄関にいることを内蔵センサーで察知し、おでかけや帰宅をスマートにお知らせしてくれます。カメラから声をかけることもできるので、見守りだけではなく、コミュニケーションのきっかけとなり、高齢者の孤独感や寂しさを和らげることができます。また、年々増加する悪質な訪問販売や盗難に対する、高齢者の不安を軽減することもできます。
◯ウェアラブル
- DfreeM
超音波センサーで排泄(現時点では排尿)の予兆を検知してくれます。排尿・排便の検知による適切なタイミングでのおむつ交換ができれば、介護者側の負担を減らせると同時に、介護を受ける側が不快感をおぼえる時間を短くできます。 すでに介護現場で活用され始めており、「一律に時間を決めて行っているトイレ誘導」という過剰なサービスを見直せる可能性がみえています。
◯今注目されている介護施設におけるICT/IoTシステム
- 『EGAO link』
介護施設において様々なセンサーを用いた見守り支援システムとナースコール、記録管理システムを連動させ、入居者の状態把握やコール対応、記録入力などをスタッフに配布したスマートフォン1台で行えるようになっています。
→介護業界は、転職が多いという特徴があります。ケアの部分ではある程度のスタンダードがありますが、記録に関してはそうではありません。他の機器・システムとの互換性・拡張性が高く、新規施設だけではなく既存施設でも導入が容易な『EGAO link』が普及し、業界スタンダードとなることは、介護業界で働くスタッフ全体の負担軽減にもつながり、離職率低下、ひいては介護業界への定着率向上の一助となると考えます。
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