介護ロボットSota実証実験
私たちは、「現在のIoT介護」で紹介した介護ロボット"Sota"を、実際に高齢者の方に使ってもらう実証実験を行いまし た。このページでその詳細をご覧ください。
◯目的
私たちの問題意識1を受けて、介護者の負担を軽減
しつつ被介護者も退屈しない介護サービスを提供する方法として、介護ロボットsotaがどの程度有用であるかを調査する。
具体的には、Sotaがレクリエーション機能を通じて高齢者を癒せるかどうかを検証する。また、ロボットの動作を詳細に観察
して課題を発見し、未来への提言につなげる。
◯仮説
Sotaはレクリエーション機能を通じて、高齢者を癒せる。
特に、施設介護において介護士の手が回らない空き時間に介護サービスを提供し続ける方法として有用である。
◯実験方法
- 適切な設定の下、Sotaと高齢者の間で会話を行った。
- つづいてSotaの各機能を高齢者の方に使用してもらった。
- 1・2を通して、Sotaが癒しに繋がるかを、高齢者の方へのインタビューを通じて確かめた。
◯実験
会話編
機能編1
機能編2
機能編3
1、Sotaをセットアップしたのち、高齢者との間で会話機能を使用した。
2、Sotaの各機能を順に使用した。
3、各機能の使用後、それぞれインタビューを行った。
◯まとめ・結論
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実験が成功したことで良い点は以下のものが挙げられる。
- sotaは各レクリエーションを通じて高齢者を癒せる
→実験を通じて、sotaは高齢者の活動を促進し元気にする効果があることがわかった。
- 介護されるひとが操作する場合は、介護者の負担を軽減することができる。
→sotaはコンテンツの利用時にリモコンで操作する必要があるため、今回の実験のように被介護者が操作を行うことがで きれば介護者の負担を減らすことができる。
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いくつか問題点があることも分かった。
- 音声の聞き取り →sotaの話す速度は速すぎ、また、声が高すぎるため、耳の遠い高齢者には聞き取りづらい。
- 介護者の負担を軽減するとは限らない →前述したとおりsotaにはリモコン操作が必要なので、被介護者が操作を行えない場合を想定すると、必ずしも介護者の負担 を軽減するとは言い切れない。
- コンテンツの充実 →Sotaが行う体操は、「おくちの体操」「太ももの体操」といった機能性を重視した合理的な体操であった。これらは医療的 な視点に基づいて開発されたものだが、機能性だけでなく高齢者が気軽に楽しめることを目的としたコンテンツも拡充していくこ とが必要である。
◯実験で検証できなかった点
今回、高齢者の方が初めてSotaに触れたのは実験日当日だった。高齢者の方が、ロボットとの慣れないふれあいをストレスと感じ、慣れた状況では得られる はずの癒しが得られなかった可能性がある(実験動画中にもあるように、実験中の高齢者の方は、Sotaに慣れればもっとコン テンツを楽しめそうだとの感想を述べている)。
高齢者がロボットに慣れた状況でのSotaの効果は検証できなかった。
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