見守り機能

実験

目的

私たちの問題意識2を受けて、徘徊時に被介護者の外出を 知らせる見守りネットワークを構築することを目的とする。
自宅介護の介護者の負担を減らすことにロボットがどの程度有効かをpepperを使い簡易的に検証する。

具体的には、 高齢者の徘徊を防止する。
特に、単独世帯または高齢者世帯で在宅介護を受けている認知症患者が、誰にも知らせず外出することを防ぐ。

方法としては、被介護者が外出することを pepperに検知させ、介護者にメールで時刻や行き先を知らせる。


仮説

家族の負担を軽くするロボットがいることで家族が高齢者を見守り続ける必要が少なくなるので、家族の負担は軽くなる。
特に、高齢者世帯における老老介護で同居者(介護者)が外出している間、または単独世帯や高齢者世帯を遠方の家族が介護する際 に、認知症患者の見守りとして有効である。


pepperを玄関に置いてある状況を想定した。

準備

Choregrapheというアプリケーションを使ってpepperに下のようなプログラムを組み、pepperにダウンロー ドして動かした。


Pepperが人の顔を感知する



「お出かけですか?」と聞く



(聞き取れなかったら「もう一度言ってください」と聞き返す)
出かけるようであれば「どこに出かけますか?」と聞く
(聞き取れなかったら聞き返す)


予め設定されたメールアドレスに高齢者がどこに出かけたかを書いたメールを送る



「わかりました、いってらっしゃーい」と言う



教室のwifiにpepperを接続させて、pepperが動いている様子を撮影した。


実験

高齢者がどこに行こうとしているのかをpepperに認識させることができた。また、その様子をメールで携帯電話に送ることが できた。


まとめ・ 結論


    実験が成功したことで良い点は以下のものが挙げられる。
  1. pepperは自宅介護者の負担軽減に有効である
    これまで介護者の対応が追いついていなかった徘徊という問題にpepperが介入することで、自宅におらずとも認知症患者の 外出を検知することが可能になり介護者の負担を軽減できる。
  2. 徘徊による事故のリスクを軽減することにも有効である
    介護者の負担軽減とともに、特に遠方の家族による介護において早期に徘徊を検知することで行方不明等のリスクを減らすことが できる。


    いくつか問題点があることも分かった。
  1. 回線を安定させる必要がある。
    →実験では、メールの送信に少し時間がかかっていた。メールの送信になるべく時間をかけないために、回線を安定させる必要が ある。
  2. ロボットの動作を安定させる必要がある。
    →pepperは立っていると関節部分のモーターに一定の負担がかかるため、長時間立ち続けることができない。また、たまに エラーを引き起こして動作を停止するため、長時間無人で動作させることが難しい。実験中にも、pepperがエラーを起こし て再起動させないといけないことがあった。高齢者を見守るロボット自体の安定性も、重要な問題になる。

いくつかの技術的な問題点が見つかったが、その問題を解決できれば今回の実験からロボットは介護者の負担を減らすことに貢献で きる。

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