☆宇宙エレベータの基礎
●現代ロケットの問題点2
2.環境破壊
コストの問題に加えて、宇宙開発において問題になることは環境問題だ。
酸素+水素→水蒸気のはずだが出発時の推力を増すためにオービターの両脇につけられた2基の固体燃料ブースターがここで問題となる。
一般に、固体燃料ロケットには合成ゴム系の燃料に、燃焼効率を上げるためのアルミニウム粉末を混ぜたものが使用されている。
これを大気圏で燃やすと、有毒ガスが大量にでる。
さらに、打ち上げのときに大量の冷却水が噴射され、これがじかにガスと混じり、半径1km以内は一時的に強酸性の蒸気に包まれる。
それによって打ち上げ地点から風下側へは、半径22qまでこれらの物質が直接降りかかり、5q以内では木の葉が変色したり、沼の水質が悪化して魚が棲むことができなくなっている。
また、ブースターが切り離されるまでに成層圏にばらまかれる塩化水素は、分解して塩化ガスとなり、オゾン層を破壊する。
ロシアの発表した最大の数値によれば、1回あたりにばらまかれる塩化水素は1000万トンにのぼる。
今後、人類の宇宙進出の流れがもはやとめどのないものになってしまったとき、化学燃料のロケットに頼っていたとしたら、地球の成層圏は壊滅的なダメージを受け、人類の健康は損なわれ、各国の経済もその負担に耐え切れなくなるに違いない。
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