テレワーク

テレワークとは

「テレワーク」という言葉は「Tele」=離れたところ「Work」=働くを合わせた造語で、発達した情報通信技術によって可能になった柔軟な働き方のことです。テレビ電話等を活用した在宅での勤務や異形を想像しがちですが、大きく三種類の方式があります。「在宅勤務」、「モバイルワーク」、「サテライトオフィス勤務」の三つです。また企業に雇用されている人間がテレワークを行う場合もあれば、自営業者が行う場合もあります。常日頃から行われている常時テレワークとある特定の頻度によって行われる随時テレワークとがあります。

テレワークの種類

在宅勤務

もっとも一般的な方式で、自宅を勤務場所として電話、メール、テレビ電話等を活用して業務を行います。

モバイルワーク

ある特定の施設に固定せず、いつでもどこでも仕事が可能な状態のことを言い、移動中の携帯電話等を活用した業務や、テレビ電話による会議への参加など、が具体例として挙げられます。

サテライトオフィス勤務

本社から離れて設置されているサテライトオフィスを利用した働き方で、一社独自のオフィスもあれば共同のもの、レンタルのものなど多様な形態が存在します。

自営業

専門性の高い業務を行うSOHOと、大体の容易な業務を行う採点業務に代表される内職副業型勤務があります。

テレワークの長所

少子高齢化対策

テレワークでは少ない業務時間からでも参加できるため、育児中の人や簡単な副業に適性があります。また出産育児介護等の必要性に迫られても、柔軟な働き方が可能なために仕事との両立を迫られる状況を緩和できます。結果、労働力人口の減少に対して一定の効果があると言えます。

非常災害時の対応

一つのオフィスという形を持たないため、オフィスがダメージを受ける地震や津波といった天災や、インフルエンザのような感染症の大流行に対し、その影響を大きく受けずに業務を継続できます。そのため非常時にも迅速な対応が行えます。

ワークライフバランス

テレワーク、特に在宅勤務は家族との時間を増やせる働き方です。家事や育児をしながらの業務が行えるため、ワークライフバランス(やりがい、充足感を持ちながら働きつつ、家族の一員として多様な生き方を選択できる)の実現に大きく寄与します。

テレワークの実情

総務省が2016年に実施した「通信利用動向調査」によると、テレワークを「導入している」と回答している企業の割合は13.3%、「導入を予定している」と答えた企業は3.3%となっており、二つを合わせても16.6%に留まっていることが分かります。

企業がテレワークを導入した目的としては、「定型的業務の効率性(生産性)の向上」が59.8%、「勤務者の移動時間の短縮」が43.9%、「顧客満足度の向上」が20.8%となっています。

一方、テレワークを導入していない理由としては、「テレワークに適した仕事がないから」が74.2%、「情報漏えいが心配だから」が22.6%、「業務の進行が難しいから」が18.4%となっています。

今後の労働力不足を解決するためには、従来の概念にとらわれず女性や高齢者、外国人労働者などの多様な人材が活躍することが必要であると指摘されてます。そのためにはテレワークの普及等によりワークライフバランスが実現できる労働市場を構築することが必要不可欠です。

そのため、今まで労働市場に参加していなかった人が労働市場に参加できる環境育児や介護などが原因で労働市場から離れない環境の二つを重点的に構築すべきです。今後テレワークという働き方がその構築において重要な役割を果たすのではないかと考えられます。

まとめ

テレワークは主として「在宅勤務」、「モバイルワーク」、「サテライトオフィス業務」の3つに分けられる。
テレワークを活用することは労働力不足の解消につながると考えられるものの、多くの企業は導入に消極的である。