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フロー型社会の現状の周知活動
日本人は今のフロー型社会を認識できているでしょうか?
ストック型社会という考え方を知っているでしょうか?
「新築が一番価値がある」というのは万国共通のものではないことをわかっているでしょうか?
まずは現状を知ってもらう必要があります。

内容としては、
・欧米と比べて日本人には新築志向が強いこと。
・取引の割合、新築着工数の差など、具体的にデータに表れていること。
を通じて、その実情をアピールし、本当に新築にする理由があるのか、イメージや流れで新築を選んでいないか訴えかけます。

そして、中古住宅自体のイメージの向上も重要で、これが新築志向解消のカギになります。
啓発により一度立ち止まって新築を考え直した時に中古住宅を魅力に感じなければ、その人が中古住宅に住む事は無く、 中古住宅に住む人の増加には繋がらないからです。
中古住宅の魅力には、 新築に比べて一般的にリーズナブルな価格であること、その分リノベーションなどで好みに作りかえることができることなどがありますが、
中古住宅は新築に比べて不安要素が多いという側面を持っています。

たとえば、中古住宅にしなかった理由の3番手に、「隠れた不具合が心配だった」というものがあります。
その不安を軽減する対策として、

リフォームや中古住宅の売買後数年(契約により異なる)の間、”構造耐力上主要な部分が基本耐力性能を満たさない場合”※1や”雨漏りが発生した場合”※2などに保険金が支払われる「既存住宅売買やリフォームのかし保険」

”住宅に精通したホームインスペクター(住宅診断士)が、第三者的な立場から、また専門家の見地から、住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき箇所やその時期、 おおよその費用などを見きわめ、アドバイスを行なう”※3「インスペクション」

といった制度が作られているものの、認知度は、かし保険16.3%・インスペクション7.7%※4と、どちらも低く未だに買い手の不安を払拭しきれていない実情があり、こちらも周知活動の必要があります。

そしてストック型社会に転換するためにもう一つ重要なのは、古い住宅にある価値を知ってもらうことです。
実際に古民家を訪れた経験から、これは実際に体感してもらうのが近道だと思いました。

※1,※2 住宅瑕疵担保責任保険協会「既存住宅売買のかし保険(個人間売買タイプ)」より引用。
※3 日本ホームインスペクターズ協会「住宅診断(ホームインスペクション)とは」より引用。
※4 全国宅地建物取引業協会連合会「 9月23日は不動産の日「不動産の日アンケート」住居の居住志向及び購買等に関する意識調査」よりデータを引用。